【名探偵コナン】有能過ぎる転生執事【男主】 (ページ40)

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第39話ページ40

…

結局、黒タイツの正体は被害者の従兄弟だった

女性とは親戚として時々会う程度の関係性だったらしいが

数年前から互いに惹かれ合う様になり、付き合い始めたと言う

しかし、その関係が深まるにつれて

男がつけていた仮面は剥がれ落ちていった

その人好きな性格の裏にあったのは

小さな頃から蓄積されていた莫大な量の承認欲求と独占欲

女が男から貰っていたのは狂愛

＿＿所謂『Domestic＿Violence』と云うモノだった

彼女は彼から暴力を受けていたのだ

今回の事件で彼女につけられていた傷はすべて

彼から日常的に与えられたカッター跡

古い傷が塞がる前にまた抉られる

肌を割くように、薄く広げられる

それでも、彼女は別れようなんて言い出さなかった

周囲の人に相談することもなかった

彼の暴力の中にも愛があると信じていたから

彼が裏切る事なんてないと信じていたから

無意識下での恐怖と洗脳は

確実に彼女を蝕んでいた

だが、それでもカバーし切れない程に男の剥がした仮面は分厚かった

彼が求めていたのは“愛”

ただひたすらに、貰えることだけを望んでいた

差出人が誰かなんて本当はどうでもよかったのだ

自分が、愛されるのならば

彼女が自分から暴力を受けても逃げ出さない事を知ると

彼は他の女に手を出した

もっと、

もっと上等の愛を、

もっと沢山の愛を、

自分が愛を貰えれば、他は何だっていい

彼の脳内はもう極論に達していた

そんな男の悪癖に気づいた彼女は、壊れた

いや、“直った”の方が正しいかも知れない

今までのソレが愛ではないと悟ると

警察に助けを求めようとしたのだ

慎重に証拠を集め、解放を欲しながら

しかし運の悪い事に、男の方も女の動きに気付いてしまった

社会的に抹殺される前に、

裏切り者を排除する為に、

今日のパーティーで男は女に毒を盛った