〜My story〜【鬼滅の刃】

☆理由 ページ5

Aside






僕は本を読むのが好きだった。



それである日、闘病生活が記された本を読んだ。



僕は泣いた。







でも、そのあと思ったんだ。


僕はどうして泣いたんだろう？


悲しかったわけでもないし、可哀想で泣いたわけでもない。




そんな事を考えていたある日、僕の兄が交通事故で逝ってしまった。



それを聞いても、実際に兄を見ても僕は泣くことがなかった。





あれ？じゃあどうして僕は泣いたんだろう？





もう一度兄さんを見た。





そして理解した。


あぁ、物語だったからだ。



僕が知らない人物で、しかも何かをやり遂げた人だったり、何かを残した人だったり。


綺麗だったからだ。


素晴らしい生き様だった。


でも、その人だからそう思えただけ。



僕が死んだ後誰かが僕の話を聞く。


それを聞いて一体どれだけの人が涙を流す？


そんな人はこれっぽっちもいないだろう。



僕には、行きている意味がなかったのかもしれない。



なら、自由になりたい。



意味がない人間がちゃんとやろうが何も残らない。



だから、自由になりたい。





そう思った日から、僕の世界から彩が失せた。





そして、家出を決行した。



なのに、自由になる前にこの世を絶つことになってしまった。




でも、死こそが本当の自由だったのかもしれない。





何かの温度を感じながらそう思った。



____自由になりたい。




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