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「なぁなぁ、学生時代のはるかってどんなだった?」
職場にも少し慣れ始めた頃、詰所で不意に藤川に尋ねられる。
『はるかさんに口止めされていますので』
「なんだよ、それ。でもさ、なんではるかと知り合ったの?
はるかの性格的にサークルに入って和気藹々って感じでもないだろ」
『…、憧れだったんです、はるかさんとゼミが同じで。
綺麗で優しくて頭が良くて。お互い兄弟が医者だっていう共通点もあって』
「家のことも?」
『はい。仲良くなってしばらくしてから直接聞きました』
「そっか」
『はるかさんのこと、幸せにして下さいね。
後輩の私が言うのは変かもしれないですけど
はるかさんは沢山泣いたので、もう泣かせないで下さい。
もし泣かせたら、藤川先生でも許しませんからね』
「おう…」
『失礼します』
そう言ってAは詰所を出て行く。
笑顔ではいるもののその口調は美帆子を彷彿とさせるものだった。
「…、緋山そっくりだ」
「私が何?」
「あ、いや別に…」
「あっそ」
藤川の後ろでは美帆子がタブレットを触っていて
不意に聞こえた自分の名前に視線を上げたが
藤川の答えを聞くや否やすぐに詰所を出て行った。
「…、危ね」
自らの発言によってまた自分を窮地に追い込むところだった。
藤川は何とか自らの危機を回避できてほっと一息つく。
しかし、それから数ヶ月後にまた同じセリフを
違う相手から聞くことになるとはこの時は予想もしていなかった。
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うたプリ大好き?(プロフ) - では、楽しみにしています笑 (2019年8月22日 0時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます。今、少しずつ案を練っているところです。よろしければ、気長にお待ち頂けると幸いです。 (2019年8月21日 19時) (レス) id: 1d92a0d69e (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか? (2019年8月21日 19時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます(^^)頑張ります!また、いらして下さい。 (2018年9月19日 21時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - こんにちは 凄く面白いです次の話が気になってウズウズしています!更新頑張って下さい (2018年9月19日 20時) (レス) id: b5c3358f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まお | 作成日時:2018年9月18日 12時