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「ここにシリンジとかサーフローがあって

Aラインのセットはこの棚」




冴島の説明に一つ一つAは丁寧にメモを取っていく。




「真面目ね。本当に緋山先生の妹?」



『社会人でメモを取らない人っているんですか?』




「あなたのお姉さんがここにフェローとして来た日から見てるけど

メモを取ってる姿なんて一度も見たことないわよ。

取ってたのは白石先生だけ」





『…想像つきます』




苦笑いしながらAは再度メモに視線を落とす。




数年前からは別々に暮らしているものの自分が生まれた時から

一緒だった姉のことなんて性格の端から端まで知り尽くしている。




それにあのメンバーでメモを取るキャラクターは

白石以外に考えられないのも事実だ。




一通りの説明を終えて2人は詰所へ戻る。




そこにはパソコンに向かって黙々と記録を打ち込んでいる藍沢の姿があった。




『…』




「なに見惚れてるのよ。家で毎日見てるでしょ?」




冴島がAの耳元で小さく呟く。




『いや…、仕事してる姿見るのって新鮮だな、って』




「ラブラブね。ご馳走さま」




口元に小さく笑みを浮かべてから冴島はAに手招きをする。




「時間があるからカルテ見て患者さん覚えて」




『ありがとうございます』




幸いにも電子カルテは本院と同じソフトが使用されており

使い方は十分に分かっている。




あとは患者と疾患を覚えるだけだ。




「どう?ここの雰囲気は?」




後ろからぽんと肩を叩かれる振り返ると藤川が立っていた。




『いい雰囲気ですね。本院はもっとピリピリしてました』




「そうだろ、そうだろ」




藤川は自分が褒められているかのように表情を緩めている。




『藤川先生が場の空気を中和させてますね』




「Aちゃん、分かってるねー』




大きな声で笑う藤川の元に鬼のような形相をした美帆子がやってくる。




「人の妹に気安く触らないでもらえる?」




「なんだよ、緋山。お前重度のシスコンか?」




「ちょっと。余計なこと言わない」




そこに冴島の鋭い声が飛ぶ。




「はい」




『流石はるかさんだ…』





一瞬にして藤川を黙らせた冴島にAは改めて傾倒した。

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うたプリ大好き?(プロフ) - では、楽しみにしています笑 (2019年8月22日 0時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます。今、少しずつ案を練っているところです。よろしければ、気長にお待ち頂けると幸いです。 (2019年8月21日 19時) (レス) id: 1d92a0d69e (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか? (2019年8月21日 19時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます(^^)頑張ります!また、いらして下さい。 (2018年9月19日 21時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - こんにちは 凄く面白いです次の話が気になってウズウズしています!更新頑張って下さい (2018年9月19日 20時) (レス) id: b5c3358f43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まお | 作成日時:2018年9月18日 12時

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