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『…っ』
また、だ。
Aは思わず眉間に皺を寄せる。
ここ最近、言いようのない吐き気や慢性的な怠さがあった。
思い当たる節がないわけではない。
でも、どこかで信じたくない自分がいるのも事実だ。
それに、とAはミキシングをしている冴島にちらりを目をやる。
その視線に気づいた冴島が不思議そうに首を傾げるが、
Aは曖昧に笑って手元のクリップボードに目を伏せた。
『美帆子、話があるんだけど』
スタッフステーションに美帆子しかいないことを確認したAは
そっと近寄り小声で話しかける。
「なに?」
目の前のパソコンから目を逸らさないまま手短に美帆子が答える。
『ここじゃ言えないから、夜家に来てくれない?』
その言葉にようやく美帆子と視線がカチリと合った。
「藍沢は?」
『今日は当直。お願い、美帆子。美帆子にしか頼めないの』
どこか焦ったように言うAに美帆子は訝しげな表情になる。
「…、分かった」
『白石先生には食事に行くとでも伝えて。あ、でも、
付いて来ないようにしてね』
じゃあ、と言ってAは美帆子の側から離れた。
「なにあれ」
あまり見たことのない表情に美帆子は思わず小さく口に出す。
私にしか頼めない、ってどういうことだろう。
モヤモヤする気持ちを孕んだまま、美帆子はもう一度パソコンに向かった。
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うたプリ大好き?(プロフ) - では、楽しみにしています笑 (2019年8月22日 0時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます。今、少しずつ案を練っているところです。よろしければ、気長にお待ち頂けると幸いです。 (2019年8月21日 19時) (レス) id: 1d92a0d69e (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか? (2019年8月21日 19時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます(^^)頑張ります!また、いらして下さい。 (2018年9月19日 21時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - こんにちは 凄く面白いです次の話が気になってウズウズしています!更新頑張って下さい (2018年9月19日 20時) (レス) id: b5c3358f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まお | 作成日時:2018年9月18日 12時