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追憶 16 ページ16
車に着く前にその彼の携帯が鳴り、箱を抱えなおして、歩きながら応える彼の声がかすかに聞こえてくる。
きっとミンナさんに違いない。
最後まで見送らずに、ドアを閉めた。
そして、「ビジネスだよ」ともう一度はっきり言わなくちゃと思いながらも、彼からの額へのキスに少し喜んでいる自分がいる。
もう一度、割り切る努力せんとなあ、と自分に言い聞かせ、それからシャワーを浴びて、持ってきた本を開けることなく、最初の夜を泥のように眠ったのだった。
ホテルへの道すがら、ヒデちゃんがさらに大泣きしていたのを、もちろん私は知らない。
ラッキーアイテム
Baby Mickey
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作者名：Elle | 作成日時：2011年9月16日 8時
