週末はきみと一緒に【#18】 (ページ9)

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milk&honey -09 ページ9

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《一緒に、……………洗われてんのか？》

早朝ランニングのあと、
風呂に入ろうと脱いだTシャツを入れようとして、洗濯物が山積みの洗濯カゴが目に入る。

昨日、夜に俺が風呂に入った後に、
Aが入ったのだろう。

俺の洗濯物の上に、Aの衣類。

この構図を、初めて認識した。

ちゃんと気にしたことがなかった。

……………。

いや。
洗うのは、洗濯機だ。
そう。機械的にもみくちゃに洗われるだけで。

……ていうか、フツウ分けて洗いたいとか言うんじゃないの？高校生女子とかって。

俺の洗濯物の上にAの洗濯物が載せられているのだから、一緒に洗われるのをイヤがられているわけではないのか………？
とすこし考えた後、このTシャツをさらに載せていいものか、と思っていたとき。

『…………ひゃ！！』

『………っ、』

鍵を閉め忘れていた。
こんな時間に誰も起きてこないだろうと思っていたのだ。

『……………声デカ』

『………鍵！何回言ったら閉めんの？』

あー、と言って。
前も何回か脱衣所でバッティングして同じこと言われたなぁと思い出しつつ。
《ごめん》なんて言葉は出てこない。

『…………一緒に入る？』

俺の言葉。
俺の一挙手一投足。

Aが、表情を変える。
Aが、俺に言葉を放つ。

ソレが。たまらなく、うれしい。
………俺は、どうかしている。
決して、ドエ…などではない。

てっきり俺をぶん殴るか、罵倒するか。
………まあそんなところだろうと思っていたら。
一瞬、目を見開いた後。
Aが着ていたもこもこカーディガンの前のボタンを外しはじめた。

『………………は、……………ちょ、』

いやいや。
まて。
なんだコレ。

俺は、どうしていいのか分からず、その場に立ち尽くす。

ボタンをはずし終えた後、
ためらいもなくAがぬいだカーディガンは。

……………俺の横を通過して。
洗濯カゴに投げ入れられた。

『ストライク！…………見逃し三振』

あ、打つ方じゃないか。と。
ちょっと笑った顔で、Aは行ってしまった。

遊ぶつもりが。完全に、遊ばれた。
てか完全スルーやん。

次は、鍵を閉めようか。
………いや、閉めないでいよう。

俺はようやく、風呂場への扉を開いた。