検索窓
今日:2 hit、昨日:20 hit、合計:23,915 hit

milk&honey -11 ページ11

side:y


---





『……………ねえ、』



『………ん?』






『大谷くんって、彼女いるの?』





---





両親は、《デート》で朝から不在。




Aは基本インドアらしく、お気に入りのチェアでタブレットをいじっている。



俺の学校はテスト期間で部活も休みなので、
軽くランニングと筋トレをしてから、家に戻ってきた。




冷蔵庫から水を取り出そうとしたとき、Aから話しかけられる。
カウンターキッチン越しに俺が見えたのだろう。





『…………知らん。本人に聞けば』



ていうか。



…………塾の帰りに、一緒に仲良く帰っとったやん。





俺の高校から程近いところにある塾にAが行き始めたのは親から聞いていた。



学校の帰り道、塾の前を通りかかった時。


塾から出て別々に歩いていた男女が、
すこし離れたところで突然並んで歩き始めたのだ。



男は身長がやたら高く、すぐ翔平だと気づいた。
……んで、翔平に前のめりで話しかけられている女子が、Aだとわかった。




なんつーか。
俺は、あの日。
まじでどうかしていた。



目の前で繰り広げられている光景は、
どうあがいても、
つきあっている もしくは つきあう手前のようなソレ。
距離近いっつーの。





Aが、翔平のものになるとか。
考えただけで、頭おかしくなりそうだった。





---





あのあとの俺は、どうやって自分の中で折り合いをつけたのかわからない。




とにかく。
ふたりとの接触を最小限にして。
ふたりのことを考えないように、した。




『え、………仲いいんじゃないの』




急に俺に向き直り、真剣な顔をする。




『聞いたところで、………』




………俺は、何も知らない。
翔平とそういう話をしたことが、そもそもない。




『………………由伸は?』




人の話に被せてきたと思ったら、
一体なんなんだ。




『………は?』




『…………彼女とか、いるの』




どういうつもりなのかわからない。
俺はその質問には答えず。


自分がもう馬鹿げたことを考えないよう。
あえて自らを痛めつけることを言った。




『………翔平は、嘘はつかない。自信持てば』





《……俺は。


A以外につきあいたいひとなんて、いない》



Aのしろい頬がふわりとあかくなるのを見て。
そんなこと、言えるはずもなかった。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←milk&honey -10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
254人がお気に入り
設定タグ:山本由伸 , プロ野球
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:345 | 作成日時:2024年2月6日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。