Cherie Girl. 【Ryosuke＆Daiki】

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｢はぁ、はぁ、｣

大貴｢はぁ、…っと…｣

｢あ…｣




カラオケにつくやいなや、自然と繋がれた手に向く視線。




｢あっ、ごめん…｣




気まづそうに目を逸らして下を向いた有岡の手を自分から離した。





大貴｢え、あ、いや…俺こそ…｣



ぼそぼそと口の中で呟いた有岡はこっち、と私を誘導する。





｢…みんなどこかな｣



さっきのことを変に意識して自然と口数が減る私。

目線もなんだか合わせずらくて、特に興味のない壁に貼られたポスターに目を通してく。






大貴｢あ、伊野ちゃんからラインきた！305だってさ！｣


｢あ、じゃあエレベーター使わなきゃ｣





足早にエレベーターに向かって、↑のボタンを押した。






大貴｢3階…っと｣




有岡の独り言っきり、
エレベーターの中はすぐに沈黙で包まれた。









大貴｢…Aさ、｣



昔から沈黙が嫌いなのだろう。

沈黙が訪れるといつも彼から話を振ってくれる。






｢…えっ、あ、どした？｣


大貴｢あ、いや、彼氏とかできたのかなーって思って｣




え？と思って彼を見上げると、そっぽ向いてパーカーの紐をいじってて。


こんな間抜け面見られなくてよかった、とそっと胸をなでおろした。





｢ないない(笑) …有岡は？｣

大貴｢あ、俺も(笑)｣





有岡がそう言ったのとほぼ同じタイミングで
エレベーターが3階についた。




｢え、意外だな(笑)｣

大貴｢Aこそ(笑)｣






良かった。

あの気まずさはどこかいったみたい。



ドリンクコーナーで取ったコーラを片手に有岡は
305と書かれたドアを開けた。

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