私の恋愛事情。Daiki. (ページ1)

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侑李｢財布、もった？｣

｢持ったー｣

侑李｢お茶は？｣

｢持ったってば。｣

さて。このやりとり、何回やったでしょう。

｢10回は軽く超えてんだかんね！｣

侑李｢なにが。｣

そう冷たく放ったのは過保護すぎる幼なじみの侑李。

｢いや、こっちのこと…｣

侑李｢そ。ペンケースは？｣

｢入れてるって！｣

最初のうちはさ、そりゃ感謝でいっぱいよ？
でもこれが11年も続くとさすがに
感謝を通り越しのありがた迷惑っていうか。
私のためなのは十分承知なんですけどね。

侑李｢Aはほんとにドジだから
僕が確認する義務なわけ。｣

｢…ありがたいけどさぁ…｣

ふんとそっぽ向いた侑李は独り言のように
文章を付け足す。

侑李｢僕がこんなにするのAだけ
なんだからもう少し感謝してほしいくらいだけど。｣

｢…さーそんでしたー｣

今日も毒舌知念さん。
こんな感じで帰る準備が終わる。

腕時計に表示される、ストップウォッチを止めた。

ピッ

｢…13分35秒…｣

私がこのストップウォッチを始めたのは

侑李が私の荷物を確認し始めた頃から。

と、すると。彼は13分間確認した。

｢…かかりすぎじゃないですか…｣

だって周り見渡しても誰ひとりとして教室に残ってないもん。

おまけに『鍵、閉めといて』的な感じで鍵が

私の机に置かれてるし。

可愛い可愛いうさぎのストラップに

こんなに苛立ったのはいつぶりだろうか。