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第65錠 ページ20

A『ん…っ?』


あれ、いつの間に家に着いて

寝ぼけながらそう思ってると、私はハッとした


そうだ、安室さんに送ってもらって


安室『あ、起きられたんですね』


A『私、どれくらい寝てましたか?』


安室『着いてまだ10分程なので大丈夫ですよ』


私はすごく申し訳ないと思い、ため息をついてしまう


安室『気にしないでください、それに僕が送りたかっただけなので』


A『っ本当にすみません汗)』


安室『でもあまり男性の前で寝顔を見せるのは危険ですよ?

いつ襲われるか分かりませんからね』


A『へ!?』


安室さんに突然そんなことを言われ、私は自分の体を見回した

その様子を見て、楽しそうに笑う安室さん


あ、騙された汗)


A『安室さん、わざとですか!』


安室『ハハッ、大丈夫、何もしてませんので』


この笑い方、今は私が知ってる安室さんだ


またあの人と重なって見えた

でも、安室さんはあの人とは違う、違うんだよね


A『…安室さん』


震える手を抑えながら、安室さんの方を向く

聞いていいのか不安だけど、意を決して私は目を合わせて言う


A『あの、安室さんって《ブゥゥゥ、ブゥゥゥ》っ!』


安室『っ!すみません、ちょっと』


タイミングが良いか悪いか、安室さんのスマホに着信が来て

聞かれたくないのか、安室さんは車の外へ出た

顔をチラッて見てみたら、険しい表情で電話をしている


さっきまで近くにいたのに


A『(っ…でも、誰にだって知られたくないことはあるよね)』


しばらくして安室さんは電話を終えて、車に戻ってきた

それと同時に私も車から出ようとした


A『じゃあ私も行きますね、ありがとうございました』


安室『いえ、気をつけて…』


安室さんの声が届く前に私は車を出て、エントランスまで走って行った


今の私、きっと最低な態度だ


A『っはぁ…最悪』


知りたいと思っていたことだけど、やっぱり上手くいかないものか


そう思いながらベットに突っ伏した


大切なものをつくることは、いけない事なのかな?

目の前で大切な人を失ったり、後悔を抱えながら生きていく強さが私にはまだない


A『…っ』








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作者名:リイナ | 作成日時:2021年9月3日 18時

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