第63錠 ページ18
連れの男の手が誰かによって止められた
後ろを振り向くと、そこには安室さんがいた
安室『あんまわがまま言ってると、痛い目あるのはそちらですよ』
『っいでで!』
連れの男の手が緩んだ隙に安室さんが私を呼び、目の前の男を突き飛ばし
私は安室さんの方へ行った
安室さんも連れの男の手を離し私の方へ来た
安室『大丈夫ですか?』
A『は、はい、でもどうして?』
安室『中々来ないので様子を見に来たら、このありさまですよ
僕の連れに何か御用ですか?』
安室さんは私の肩に腕をまわして言う
さっきまであの男たちに触れられて気持ち悪かったけど
でも安室さんには、何も違和感がない
寧ろ少しびっくりしたし、ドキッとしてしまった
『ッチ)んだよ男連れかよ』
『男と一緒なら興味ねぇよ
美人だと思ったらこんな野郎の女なら、下手くそそうだしな』
A『っな!』
あいつら何を言って!?
今すぐぶん殴りたかったけど
安室さんに肩を抱かれていたため出来なかった
その様子を見てフッと笑った安室さんに私は我に返った
A『あっ//ありがとうございます、助けていただいて』
安室『いいえ、しかしよく絡まれますね』
A『ははは…本当に汗)』
本当に変な人に絡まれてしまう
そう思いながら安室さんの車に着き、助手席へと座った
今といい、ストーカーの時といい変な人に絡まれるのが多い
中学高校の時もあったけど、その時はお兄ちゃんがいてくれたし
''人の妹に手ぇ出してんじゃねぇぞ"
"おいクソガキ、喧嘩なら素手で来やがれ"
お父さん譲りでボクシングが得意だったし
まあ大体はそれでやっつけてたけど
ほんと、守られてばっかだったんだなぁ
あ、やばい何故か涙が出そうになった
安室『Aさん?』
A『っ、すみません、ちょっと昔のことを思い出して…っ』
安室『…』
A『私守られてばっかで、全然強くなれてないって
今の弱い自分を愛せていけるのかなって…フゥ)
すみません、こんな事安室さんに言っても!!!』
続きを言う前に安室さんに体を引かれ、頭に手をまわしてくれていた
あぁ、このぬくもり、やっぱりお兄ちゃんと似ている
その時私の目から静かに涙が落ちたのが分かった
でも顔を上げるのが怖く、ずっと下を向いていた
このぬくもりは、確かに安室さんだと感じていた
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作者名:リイナ | 作成日時:2021年9月3日 18時