【名探偵コナン】愛錠第2錠【安室透/降谷零】 (ページ12)

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第57錠-②- ページ12

-杯戸ショッピングモール-

人の流れに逆らいながら、私は人混みをかき分ける

息を切らしながら、大きな観覧車が見えて来たのがわかった

しかし目の前に現れた警察に止められる

『君！ここから先は立ち入り禁止だ！』

A『退いてください！兄がここに来てるんです！』

私は警察に向かって叫んで押しのけた

その声を聞きつけてやってきた女性警察官、当時の美和子さんに声をかけられた

美和子『私は佐藤美和子と言います

中、とは観覧車の中ですか？一般人の避難はこちらではなく…』

A『警視庁捜査一課、松田陣平の妹です！！』

周りの息を呑む音がわかった

そんなのお構いなしに私は叫ぶ

A『だから通してください！！』

もう一度叫べば、美和子さんは納得して頷くと通してくれた

観覧車の真下に行くと

上を見上げてお兄ちゃんが乗ってる観覧車を確認する

A『お兄ちゃん…お兄ちゃん！！！』

叫んでも聞こえるわけがない

ケータイを出して電話をする

すると、一回のコールで電話が出た

陣平〈どうした？〉

A『どうしたじゃないよ！何やってるのお兄ちゃん！！！』

陣平〈んな怒んなよ、大人しく家で待っててくれよ〉

A『下見てよ！』

冷静にな声のお兄ちゃんに比べて

私の声は泣きそう泣きそうになるのを抑えて怒鳴りつける

そう言いながら上を見ていれば影が動いて、お兄ちゃんと目が合う

陣平〈っ！！！おい馬鹿！危ねえから逃げろ！〉

A『嫌！絶対逃げない！

それにお兄ちゃんの方が危ないのに！

早く解除してよ！お兄ちゃんなら3分もあれば十分でしょ！』

さっき後ろの警察が話してる内容が聞こえて

水銀レバーのトラップもあるらしく、普通なら解体は難しい

お兄ちゃんの勉強してる姿を誰よりも近くで見てきたから、私だって分かる

なんならそこら辺の私服警官より腕前はあると思う

A『お兄ちゃん！早く帰って来てよ！

約束したじゃん、必ず帰って来るって…っ』

陣平〈っ…〉

A『お兄ちゃん！！！』

陣平〈…悪いなA、お前との約束守れねぇわ〉

小さく呟くように言う兄の言葉に

まるで心臓を抉られるような感覚だったのを今でも覚えている

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