101【犠牲はつきもの】 ページ9
___時刻は16時過ぎ。
お先に失礼しますと挨拶をして外へ出る。
朝、車を降りた場所に目を向けると既に赤い車が停まっていた。
車に近づくとパチリと目が合う。
助手席の扉を開け、車に乗り込んだ。
「確かに、誰か後を着けている雰囲気がありますね。」
「え?本当ですか?」
「ええ、店から出てきた貴方をじっと見つめる男がいましたよ。貴方が車に乗ると同時に路地裏に隠れてしまいましたが……」
「そう、ですか……」
やっぱり、ずっと付け回されてるんだ……
急に怖くなり、膝の上で拳を握りしめた。
「そんな顔をしないでください。私がいる限り、貴方に危険は及びませんから。」
「昴さん……」
安心する言葉を言い放ち、ゆっくりとアクセルが踏まれた。
さっきまでの不安が一気に消えたような感覚だった。
「Aさん、スーパーに寄っても宜しいですか?夕飯の買い物をしたくてですね。」
「わかりました。あっ……昴さん、提案なのですが……」
私が言葉を詰まらせると、なんでしょう?と顔を向ける彼。
「昴さんが良ければなんですが、夕飯は私に作らせてもらえませんか…?」
朝食を用意をして貰っちゃったので、
と言葉を付け加えて顔色を伺った。
そう、朝食は昴さんが用意してくれていた。
朝起きたら全部終わってたんだよね…
「私は構いませんが、大変ではありませんか?お仕事終わりな訳ですし…」
「そんなの気にしないでください。元々、料理は好きですから。」
ってことで、今晩の食事は私が作ることになった。
ん〜なに作ろうかな……
メニューを考えているとスーパーに着く。
カートにカゴを乗せて、食材を入れていった。
「昴さんは苦手なものとかないですか?」
「はい、特にないので大丈夫ですよ。」
まあ、あったらちょっと笑っちゃうかも……
野菜のコーナーを抜けて、
肉類の方へと向かっていたところだった。
.
.
.
.
「こうやって二人で買い物するなんて、お付き合いしているみたいですね。」
突然の爆弾発言。
彼は定期的に変なことを言い出すのだ。
また言ってるよ……昴さん!!!
もはや慣れてしまったのか、
最近なにを聞いても驚かなくなってきた。
「馬鹿なこと言わないでください。ただ食材を買いに来ているだけです。」
彼の言葉に真顔で答え、鶏肉を手に取る。
それをカゴに入れると、背後から名前を呼ばれたのだった。
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砂糖(プロフ) - もなかさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!よければこれからもよろしくお願いします〜(;;) (8月17日 21時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 更新いつも楽しみにしてます!いつもありがとうございます!! (8月9日 13時) (レス) @page46 id: 444b93c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - NATSUさん» ありがとうございます!頑張ります〜! (8月6日 15時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 今後の展開が楽しみです (8月6日 13時) (レス) @page42 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - レモンさん» わ〜!!!ありがとうございます(;;)めちゃくちゃ嬉しいです!!頑張りますね〜!( ˊᵕˋ ) (7月31日 20時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂糖 | 作成日時:2023年7月7日 16時