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少しの間、一人となり先ほどの出来事がフラッシュバックする。
昴さんが助けに来てくれなかったら、
私はただじゃ済まなかっただろう。
……間違いなく。
あのときの恐怖が抜け切ることはなく、
胸がザワつき、身体が震えた。
「Aさん!?」
聞き覚えのある声の方へ顔を向ける____
「____あ、むろ……さん……」
何かあったと察した安室は、血相を変えて近づいた。
「帰りが遅いと思って、警察も通りかかったので見に来たんですが……なにかあったんですか!?」
って……!ま、まずいんじゃ____
「____すみませんが、彼女は今日早退させてもらえませんか?事件に巻き込まれてしまったので。」
す、すばる……さん……
「沖矢、昴……何故、貴方がここに?」
低い声で呟く安室透。
目が合った途端、雰囲気が明らかに悪化した。
私が最も恐れていた展開だった。
「彼女が襲われたところを助けただけですよ。さあ、行きましょうか。」
そっと私の背中に手を回すと、
黙っていないはずの彼が口を開く。
「すみませんが、何処へいくつもりで?貴方と彼女はただのお知り合いですよね?」
ピリピリした空気に呑まれそうになる。
"まずい" と思うが……
今の私には何の策も出て来ず。
ただ黙り込んでいる他なかった。
「今の彼女の自宅は私の住まいですから。……ですよね?」
突如として、話を振られ向けられる顔に
私はただ首を小さく縦に振ることしか出来なかった。
ああ……気まず……
もう安室さんに顔向け出来ない……
「安室さん……すみません。」
俯きながら安室さんにハムの入った袋を渡し、
昴さんと共にその場を後にした。
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砂糖(プロフ) - もなかさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!よければこれからもよろしくお願いします〜(;;) (8月17日 21時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 更新いつも楽しみにしてます!いつもありがとうございます!! (8月9日 13時) (レス) @page46 id: 444b93c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - NATSUさん» ありがとうございます!頑張ります〜! (8月6日 15時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 今後の展開が楽しみです (8月6日 13時) (レス) @page42 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - レモンさん» わ〜!!!ありがとうございます(;;)めちゃくちゃ嬉しいです!!頑張りますね〜!( ˊᵕˋ ) (7月31日 20時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂糖 | 作成日時:2023年7月7日 16時