116【秘密は隠せず】 ページ24
「ん…………」
ほのかに香る煙草の匂い。
頚の後ろに鈍い痛みが走っていた。
薄らと目を開け、見慣れない部屋が視界を映す。
ベッドの上に居るのだろうか。
ここ……どこ……?
私、何してたっけ……
首元の鈍い痛みが脳を麻痺させる。
意識をハッキリと保てずにいた____
「____目が覚めたか、」
声のする方に顔を向けると、グリーンの目をした彼が、
赤井秀一が目の前に立っていた。
そうだ、私……ッ……
初対面であるはずの彼の名を呼んでしまったのだ。
それも、沖矢昴と同一人物だと分かるような言葉と共に。
なんとかこの場から立ち去れないかと身体を動かそうとしたのだが……
……っ、、縛られてる……ッ!!
手首は背中の後ろに回され、足首も縄でキツく結ばれていた。
「おっと、下手な真似はするなよ____」
___カチャ、
黒いリボルバーの銃口が向けられる。
「……っ、、」
もう……これ以上隠すのは無理だろう。
必死に言い訳を考えようとしたが、脳が麻痺していて頭が回らない。
「何故、俺の名を知っている。その様子だと、俺と沖矢昴が同一人物だということも把握済みなんだろう?」
どう答えたらいいか分からない問いかけに、
私はなにも言葉を発せなかった。
黙り込む私に目を細めると、再び口を開く彼。
「話す気はないということか。」
話したところで……信じてもらえないだろう。
でも、このまま黙ってても____
「____話す気が無いのなら、我々FBIで君の身柄を拘束されてもらうが。」
なんてことだ。
捕まれば、厄介なことになる。
もしかしたら、この世界の歯車が狂ってしまうかもしれない。
それだけは、嫌だ。
息を呑み、私はゆっくりと口を動かした。
「話し……ます……」
目も合わせず答えるAに、
赤井は冷たい視線のまま彼女の様子を伺った。
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砂糖(プロフ) - もなかさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!よければこれからもよろしくお願いします〜(;;) (8月17日 21時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 更新いつも楽しみにしてます!いつもありがとうございます!! (8月9日 13時) (レス) @page46 id: 444b93c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - NATSUさん» ありがとうございます!頑張ります〜! (8月6日 15時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 今後の展開が楽しみです (8月6日 13時) (レス) @page42 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - レモンさん» わ〜!!!ありがとうございます(;;)めちゃくちゃ嬉しいです!!頑張りますね〜!( ˊᵕˋ ) (7月31日 20時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂糖 | 作成日時:2023年7月7日 16時