110【予想外の夜】 ページ18
未だに早まる鼓動は治まらない。
「Aさん、もうこんな時間ですし……ご自宅まで送りましょうか?」
「あっ……いや、実はさっきのメールで知人から呼ばれてしまいまして……すぐここに迎えが来るみたいなので大丈夫です。」
突然のお誘いに戸惑ったが……
我ながら上手くかわせたのではないだろうか。
「そうでしたか。ではまた、お疲れ様でした。」
「はい!お疲れ様でした。」
駐車場へ向かう彼に会釈をし、別れる。
お、終わった、、、、
今までの緊張を吐き出すようにため息が漏れる。
これ以上、一緒にいたら頭がパンクしてしまうだろう。
というか、返事……しない、と……
次のシフト、うまく話せるかな……
確か、梓さんもいたよね……?
平然としていられる自身は……正直無い。
ボーっと突っ立っていると、
薄暗い道路にライトが照らされる。
光の方へ目を向けると、
いつもの赤いスバル360が駐車されていた。
急いで駆け寄り、いつものように助手席に乗り込む。
「すみません、急なメールになってしまって……ありがとうございます。」
「いえいえ、気にしないでください。通知するように設定していましたから。」
シートベルトを締めると、アクセルが踏まれ車が動き出した。
「……なにか、ありましたか?」
不意に図星をつかれ、ドキッとした。
「い、いや……なにも!ちょっと忙しかったので……アハハ……」
昴さん……鋭くない?
そんなに私がわかりやすいのかな……
.
.
.
.
赤信号、ブレーキが緩やかにかかった____
「___Aさん、申し上げにくいことなのですが……」
信号で止まったと同時、重々しい口調で口を開く。
躊躇って言葉を言う彼に思わず身構えた。
「実は、日中……私が外出している間に放火があったようで。」
ほ、ほうか……?
放火か、とあまり驚かなくなってしまった私も
随分この世界に慣れたんだなと実感する。
いや、慣れちゃ駄目なのよ……!、!
脳内で自らツッコミを入れていると耳を疑う言葉が入ってきた。
「その放火された場所がAさんのアパートでして……」
.
.
.
.
、、、、は?
558人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
砂糖(プロフ) - もなかさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!よければこれからもよろしくお願いします〜(;;) (8月17日 21時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 更新いつも楽しみにしてます!いつもありがとうございます!! (8月9日 13時) (レス) @page46 id: 444b93c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - NATSUさん» ありがとうございます!頑張ります〜! (8月6日 15時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 今後の展開が楽しみです (8月6日 13時) (レス) @page42 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - レモンさん» わ〜!!!ありがとうございます(;;)めちゃくちゃ嬉しいです!!頑張りますね〜!( ˊᵕˋ ) (7月31日 20時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:砂糖 | 作成日時:2023年7月7日 16時