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突然の告白に困惑するA。
なんて言葉を返したらいいか分からなかった。
「え、えっと……」
目線を太ももに、そっと落とした。
「すみません……急にこんなことを言ってしまって。でも、本当に、僕……お返事はいくらでも待ちますので、気が向いたら教えてください。」
心臓の鼓動が徐々に煩くなる。
だけど、本当……?
……嘘ついてないって。
ハハッ……まさかね……
誤魔化そうと、バタンと音を立てて椅子から立ち上がった。
「すっ、すみません!ちょっと驚いしまって……私、ロッカーに忘れ物したので取ってきますね!」
席を立ち、小走りで裏へ駆け込んだ。
電気もつけずにロッカーへ背を預け、
さきほどの彼の言葉を思い出す。
____僕は……いますよ。Aさん、です。
顔が熱い。
嘘だとしても、安室さんにあんなことを言われてしまったら仕方ないだろう。
きっと、私になにか探りを入れる為だ。
私には……そうとしか思えなかった。
____私の存在が不可解な事に気づいてしまったから。
そして、本当は正体を明かせない公安警察だから。
脳内がぐるぐると巡るような感覚に陥る。
「はっ……こんな所でボーッとしてる場合じゃ……!」
昴さんにメールしなきゃ…!!
ポケットから携帯を取り出し、急いで文章を打ち込んだ。
____そろそろ、終わります。
10分後にいつもの場所にお願いします。
「……よし、」
メールを送信し、店内へ戻ろうと足を動かした。
平然としてなきゃ……
胸に手を当て、ふぅーっと深呼吸をする。
戻ると既に食器は片付けられていた。
「あっ……すみません。全部片付けてもらっちゃって……」
「いえいえ、僕の方こそすみません。急にあんなこと言ってしまって……戸惑いましたよね。」
そういうとそっと近づいてきた。
「お返事、待ってますから……」
「安室さん……」
もちろん、答えはノーだ。
探りを入れる為の嘘か否かは別としよう。
それは私がここの世界の住人じゃないから、
そもそも感情の有無なしに考えられないのだ。
しかし、困惑しているせいなのか……
言いたい言葉は出てこなかった。
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砂糖(プロフ) - もなかさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!よければこれからもよろしくお願いします〜(;;) (8月17日 21時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 更新いつも楽しみにしてます!いつもありがとうございます!! (8月9日 13時) (レス) @page46 id: 444b93c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - NATSUさん» ありがとうございます!頑張ります〜! (8月6日 15時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 今後の展開が楽しみです (8月6日 13時) (レス) @page42 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(プロフ) - レモンさん» わ〜!!!ありがとうございます(;;)めちゃくちゃ嬉しいです!!頑張りますね〜!( ˊᵕˋ ) (7月31日 20時) (レス) id: 066e60113b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂糖 | 作成日時:2023年7月7日 16時