悲しき恋【王女の男】 (ページ16)

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皆が憎いわけじゃないページ16

私は手を払いのけては少し距離を取る。

『お久しぶりです...シン判官様』

ﾐｮﾝ「生きていたのですね」

『はい...さぞ残念でしょう...』

ﾐｮﾝ「...」

『貴方は私をもう一度殺さねばならないのですから...お手間をおかけして申し訳ございません』

ﾐｮﾝ「っ...」

部下「止まれ！」

向こうの方から誰かが逃げたからかそれを追いかけている兵士の声が聞こえてきた。
シン判官様はそちらを見てからもう一度私を見て逃げた方に走っていった。
ここにいては私のせいで...出なくては。
武官の人達が去っていって中に入るとソクチュさんが私を呼んだ。

『なんですか？』

ｿｸﾁｭ「首陽大君の長女がその部屋の中にいる」

『っ！...何故ここに』

ｿｸﾁｭ「話によれば今日はさっき来た武官とその女が婚礼の日だったみたいだが...お前の兄貴がその女を攫ってきた」

『っ！...お兄様が？』

ｿｸﾁｭ「恐らく...人質に使うんだろう」

ソクチュさんに教えて貰い私は部屋の前に来た。
扉を叩けば控えめにはいという声が聞こえてきたため私扉を開けて中に入ると私を見てはセリョンさんは目を見開いて驚いていた。

ｾﾘｮﾝ「あっ...その...」

『首陽大君の長女...私たち家族を奪った男の娘.....でも...あなたがやったわけじゃない...』

ｾﾘｮﾝ「っ！」

『お兄様は復讐で目がくらんでしまっている...もしかしたら貴方なら救えるかもしれない』

ｾﾘｮﾝ「私が憎くないのですか？」

『貴女はいい人だと...なんとなく思うの』

ｾﾘｮﾝ「ご家族が...」

『？』

ｾﾘｮﾝ「奥様と娘さんは生きてます」

そう言われて目を見開いて驚いた。
姉上とアガンが生きてる。
私が聞いたのは自害したと聞いていたけど。

『今どこに...』

ｾﾘｮﾝ「シン判官様がご用意した屋敷にいます」

『っ...』

ｾﾘｮﾝ「場所は...ヨリという私の侍女知ってます...」

『分かった...ありがとう』

ｾﾘｮﾝ「いえ...」

私は部屋から出てはチョヒさんの元に向かう。
私はここから出ることを言えば驚いてはいたけどなんとなく想像はついていたみたいだった。

ﾁｮﾋ「あの武官が...あんたの」

『...そうです...』

ﾁｮﾋ「顔を見られたんだね」

『はい...またここに来る可能性があるので...私はここから出ようと思います』

ﾑﾖﾝ「慕い合ってたなら分からないじゃない」

『いえ...慕っていたのは私だけですから』

私はその日のうちに支度をしては館から出てとある場所に向かった。