悲しき恋【王女の男】 (ページ15)

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再会ページ15

扉を開けるとお兄様と目が合い目を見開いていた。

ｽﾝﾕ「Aなのか？...本当に...」

『お兄様...お兄様！』

私は駆け寄り抱きつくとお兄様も確かめるように強く抱き締めてくれた。
その様子を見ていた男の人達は驚いているようだった。

ｽｸﾁｭ「ということは...お嬢さんもキム...」

『キム・Aと申します』

ｽﾝﾕ「俺は崖から落ちて死んだと...」

『川に落ちて揉まれてしまいましたがなんとか川辺に辿り着いたんです...ただ力尽きて倒れているところをムヨンさんに助けてもらい今は心で働かせて貰ってます』

ｽﾝﾕ「そうか...肉親が...お前が生きててくれてよかった」

『はい...私も嬉しいです』

ｽｸﾁｭ「とりあえず傷を治せ」

『薬を置いておきますので飲んでください』

ｽﾝﾕ「ありがとう」

私は微笑んで立ち上がり部屋から出ることに。
本当に肉親が1人でも生きててよかった。
でも、お兄様の目は憎しみで濁っていた。
私もたしかに父を殺した人達は憎いが私の力では何も変えられない。
次の日私は薬を買うために出かけることにした。
チョヒさんは1日休みをくれたためたまには夜の散歩をしながら出かけよう
どんどん気が沈んでいってしまう。
ちょうど歩いているとセリョンさんとシン判官様が前を通ったため跡をつけて行くことに。
木の陰に隠れて見ていると目の前でシン判官様がセリョンさんを抱きしめていた。

『っ！』

何を話してるかまでは分からないけど私はゆっくりと後ずさり走って妓楼に向かう。
妓楼に着けばすぐに部屋に入りヘナヘナと座り込む。
憎いはずなのに憎くなきゃいけないのになんで...こんなにも胸が苦しくて涙が止まらないの。
そして数日後私はいつも通り支度をして下に降りるとなにか騒がしかった。

『なにかありました？』

ﾑﾖﾝ「大変よ...武官の人が」

『っ...お兄様は？』

ﾑﾖﾝ「恐らく上に...あなたも隠れて」

『はい』

私は裏口から出ては周りを見渡しながらこの妓楼から一旦離れようと歩き出す。
恐らく店の中しか見てないからこっちは...

ﾐｮﾝ「止まれ」

『っ！』

ﾐｮﾝ「...ここら辺に怪しい男は見てないか？」

『...』

ﾐｮﾝ「何故こちらを見ない」

まさかシン判官様がここにいるとは思わなくて私は振り返ることをせずに首を横に振る。
顔を見られれば恐らく私は連れてかれる。
すると腕を掴まれてグッと引かれ振り返ってしまえばシン判官様と目が合い目を見開いていた。

ﾐｮﾝ「お嬢様...」