2番目でもいい･･･【相澤消太】 (ページ24)

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23話ページ24

相澤side

俺は1人寮に帰ってきていた。
報告書も出し終えてベッドに力なく倒れた。
アイツが急に関係を切ってきたことに少なからず違和感はあった。
まさかそういうことがあったとはな。
だが、柊さんの言う通りだ。
アイツが自分で考えて関係を切った。
俺がそれを同行できる立場ではない。
ましてやもうすぐ結婚するという二人の間を俺が切り裂くのもおかしい。
そう...これが最善。
俺もアイツもお互いのことを忘れて元の生活に戻る。
頭ではそうわかってる。
だが...心はアイツが好きだとずっと叫んでいるのだ。

相澤「はぁ...どうすりゃいいんだ」

次の日にはAは目を覚ましたと連絡が来た。
しかし、俺はそこには行かずにいた。
柊さんがいるであろう場所に行ってはAの努力が水の泡になる。
そして一週間後には退院。
その２週間後に結婚式を予定通り行うらしい。
参列者はごく僅かの関係者のみ。
きっと...綺麗なんだろう...彼女の花嫁姿は。

相澤「俺が先に出会っていれば...」

そう思ってしまって仕方ないのだ。

主side

あの事件から3週間が経った。
私は結婚式場の控え室でウエディングドレス姿で鏡の前にたっていた。
彼と今日結ばれる。
でも...心は晴れていなかった。
あの日から消太さんを見ていない...というか見るはずがないのだが事件のこともあるから会えるのではと少し期待をしてしまっていた。
彼をあの時助けたのは頭より体が勝手に動いてしまったから。
私が死んでも彼を守りたかった。
本当に好きだから出来ることなのだろう。
ずっと前に握った手...未だに彼の温もりが残っているような気がする。

ｽﾀｯﾌ「新婦様...お時間です」

『はい』

控え室から出てはスタッフの方にヴェールを下ろしてもらい扉の前に行く。
扉が開きその先には聖司さんが立っていた。
一歩また一歩近づいていき隣に立ち腕に手を添えれば前を向く。
本当にコレでいいのだろうか。

神父「あなたは妻である成瀬Aを愛しぬくことを誓いますか？」

柊「誓います」

神父「あなたは...夫である柊聖司を愛しぬくことを誓いますか？」

『.....』

柊「？...A？」

私の頭の中にはある言葉が思い出されていた。
昔オールマイトさんが言っていた言葉だ...

ｵｰﾙﾏ(困難な時ほど無理だとわかってる時でも立ち向かう...それがヒーローだ...)

『誓えません...ごめんなさい』

私は手を見つめてから指輪を取って彼に返してはそのまま走ってその場から去った。