私が一人暮らしになったのは２

味わいたい ページ21

じゃあ帰ろうか！と言ってコナンくんに手を差し出す




はーいと返事をして手を繋いで階段を降りる






コナンくんの手めちゃ柔らかい…



子供の手だ…




ニヤニヤしてしまう口角を無理やり押さえる



自分が変態みたいになってると自覚しながらも、この際いっぱい味わっていこうと思った





人の感触も声も熱も空気も何もかも



もうこの世界に悔いが残らないくらい



私はたまたま何かの間違いでこの世界に来れた



だけどまた何かの間違いで元の世界に戻ってしまうかもしれない



あとになってあの時こうすればよかったって思いたくない



好きな人たちに直接会える



これがどんなに幸せなことか







その反面、毎日のように元の世界のことも考える



元の世界の私は今どうなっているのか、家族は元気だろうか



私の身に一体何が起こっているのか



全てが不安だ





でもやっぱり本来会うことができない話すこともできない人たちに会えた



言葉を交わせた



触れ合えた



それが本当に嬉しくてたまらない



瞬間瞬間を噛み締めていこう





この世界で好きな人たちが幸せであってほしい




そう願いながら

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