私が一人暮らしになったのは２

気持ち ページ11

必死に何かを言おうと思っているのに、口から音が発せられない


喋り方を忘れてしまったかのように苦労して言葉を発した





『きゅ、きゅうにどうしたんですか？』





聞いても見つめられるだけで、安室さんは何も言わない




私は混乱して、必死にさっき言われた言葉を思い出す






安室さんと会いたくないか？って？






答える前に、信号が青に変わった。



外のライトによって安室さんの顔がチラチラ光って見える





安室さんと会いたいか、会いたくないか



それはもちろん



『会いたいですよ...。私はもちろん安室さんに会いたいと思ってます。』



というか、会いたいと思ってて、でも絶対に会えなくて。


なのに、会えた。



一度だけじゃなくこうやって何度も会えてることが奇跡なの





『私は安室さんに会えて本当に嬉しかったんです。会いたくないだなんて思いません。』




安室さんが運転中でこちらを見れないのをいいことに気持ちを伝える



言い終わったあと、少しだけ運転席を見る



すると、安室さんが笑い出した




『え？何で笑ってるんですか！』


予想もしなかった反応に私は驚く


「いや、すみません。まさかそこまで言って頂けるとは思わなくて。ありがとうございます。」


お礼を言いながら少し照れたように笑いこちらに顔を向ける



うわぁ、反則だ

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