四十四輪 ページ48
Aside
『……ん……あれ……ッ⁉』
自分が寝ていたことに気付き、ガバッと起き上がる。
蘭「あ、Aさん起きました?まだ熱下がりきってないんであんまり動いちゃダメですよ」
蘭ちゃんの声に自分の息がかなり荒いのにも気が付いた。
蘭「大丈夫ですか、Aさん。すごく魘されてましたけど……」
『……魘されてた……?』
蘭「はい」
私は夢を見ていたのだ。
それも世間一般では悪夢と称される夢を。
『私ね、恐い夢見たの』
自分より一回り年下の子にこんな相談はするもんじゃないけど。
蘭ちゃんはなんにも言わずに聞いてくれた。
蘭「はい」
『私のお父さんがお兄ちゃんに殺されちゃう。私のお兄ちゃんは3人いて、その末っ子』
蘭「恐かったですね」
『でもね、アイツだってわざとやったわけじゃないの。脅されて仕方なく。父親の命と兄妹の命、どちらか選べって……』
蘭「……ッ!」
____NOside____
普通はそんな夢など見ない。
ということは記憶の一部なのだろうか。
蘭は予想が当たっていてほしくないと思った。
いくら自分達より長く生きているからと言ってこれは惨すぎる。
自分の父親である小五郎であってもそんな事は経験したことないだろう。
今のAはいつもの頼りになるリーダーというよりも、迷子になって不安気に辺りを見渡す子供のように思えた。
__ということは今まで頑張って強がっていたということ?
蘭はなんとしてもこの小さな子供をあやして、元の場所に戻してやらねばならないと使命感に燃えた。
蘭「大丈夫です。お父様の事は分かりませんけど、今は私達がいますから」
『……ん……』
Aは少し微笑んですぐにまた眠ってしまった。
そして朝まで魘される事は無かったという。
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まかろん(プロフ) - 坂本愛菜さん» コメントありがとうございます!分かりました、他の方からのコメントも見つつ、下書きしておきますね(笑) (2018年2月26日 19時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)
坂本愛菜(プロフ) - 戦う感じがいいです (2018年2月26日 19時) (レス) id: ea0408c66f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - ぴよさん» 初コメだァァァ!コホンッすみません!考えてたら色々纏まりきらなくなっちゃって……(笑) (2018年2月22日 17時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ - 美化しすぎじゃね。笑笑。設定難しい。 (2018年2月22日 16時) (レス) id: c14143008a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まかろん | 作成日時:2018年2月21日 20時