三十七輪 ページ41
NOside
Aの背中を盗み見た歩美と哀。
そこには確かに神楽の言っていた"傷痕"があった。
敵に斬られたであろう、斜めの刀傷。
右上から左下にかけて一直線に。
痛かったんだろうなぁと歩美は思い、哀はどんな人生を送っていようが今を生きるのが大切なのよと歩美を諭した。
その視線にAは気付いているのかいないのか。
もし前者だとすれば気付きたくないのかもしれない。
神楽は言いたいタイミングで言えばいい、と思う。
気持ちに踏ん切りがつかないうちに外からやいやい言われてもAが困るだけだと。
神楽が戦闘種族の夜兎だというのもきっとAは気づいていたはずなのだ。
しかし、彼女は訊かなかった。
だから今は神楽が夜兎だということを、"神楽自身が打ち明けたから"知っているのだ。
まだAが言いたくないのであれば待っていよう。
Aが言いたくなるまで待っている。
ずっと、ずっと。
神楽は湯船から半分体を出して声をあげた。
神楽「A姉、逆上せたアル。早く出ようヨ」
『え、もう?じゃあ、出よっか!歩美ちゃん、哀ちゃん、転けないように出てねー』
子供達三人の予想通り、Aはやっぱり最後に出て、タオルを背中に羽織って出る。
けれどもう誰も気にしない。
Aは私達を"気遣って"最後に出てくれているのだから__
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まかろん(プロフ) - 坂本愛菜さん» コメントありがとうございます!分かりました、他の方からのコメントも見つつ、下書きしておきますね(笑) (2018年2月26日 19時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)
坂本愛菜(プロフ) - 戦う感じがいいです (2018年2月26日 19時) (レス) id: ea0408c66f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - ぴよさん» 初コメだァァァ!コホンッすみません!考えてたら色々纏まりきらなくなっちゃって……(笑) (2018年2月22日 17時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ - 美化しすぎじゃね。笑笑。設定難しい。 (2018年2月22日 16時) (レス) id: c14143008a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まかろん | 作成日時:2018年2月21日 20時