いつかのお嬢さん。

episode9 ページ11

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conan side





「おめーらな、遠慮というものを覚えろよ」




「だってよ、コナン。お婆さんがお菓子出してくれるって言ってるんだぜ？」




ふかふかのエメラルドグリーンが印象深いソファに座っている隣の元太の目は、お菓子に目を輝かせている。




確かに普段見慣れない魅力的な焼き菓子が規則正しく並べてあった。




「歩美、こんな大きなお家に住んでみたい！
きっとお姫様気分ね！」



向かい側に座っている歩美は屋敷の造りや、慣れない広々とした部屋が落ち着かないようだ。



「さすが、お金持ちの家は違いますねー！
この銅像は何万円するんでしょうか？」




玄関先や、部屋の角などに置かれている芸術品に光彦は興味を沸かせている。




あー、なんで俺たちがこんなとこにいるかだって？

それは大体予測できる事だが、元太のホームランが屋敷の庭に入ってしまったのだ。



ボールを取るだけで用事は終わるはずなのに、こいつらが屋敷に興味を持ち出したから

優しそうな老婆が手厚い歓迎をしてくれたのだ。




でも、その老婆を見た瞬間俺は確信した。


あの時の事件であった老婆だってこと。

さらに言えばここにあのお嬢さんが住んでいるということに。

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