短・中 編１

避けられないワケ2：志摩 ページ34

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『アイツね！私が帰ったらチューしてたんです！！』


「うん、聞いた聞いた」





どうやら同棲していた家に帰宅すると、彼氏が女とキスしていたらしく

問い詰めたら「向こうがいきなりキスしてきた」と言い訳したんだと。



まぁ家に連れ込んでる時点でお察しだけどな････




で、別れたものの思い出す度に腹が立って今の状況。








『大体さ、いきなりキスしてきたって何！？避けろよ！！！』



「まぁ、ドラマとかではよくあるよな」



『キスされてもいいって思ってる相手だから避けないんでしょ！？本気で嫌な相手だったら絶対避けれるじゃん！！』



「まぁそうだな････」



『ですよね!!ほんと腹立つ!!しかもいきなりとか言ってるけど腰に手回してたの見たからな!!!!!』








ダメだ、コイツも今日は潰れるまで飲む気だ････



俺もコイツも明日休みで良かった









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「ほら、しっかり立て」


『ん―･･･おかわりぃ〜』


「もう外だっつの」



案の定泥酔したAを支えながら歩く


おんぶしてとっとと帰さないとと思ったのに、コイツが歩く！って騒いで仕方なくこうなった







『･･･しまさん、、』



「ん―？」



『あたしの、なにがダメだったんですかね』




さっきまで騒いでたかと思えば、急にしおらしくなって悲しそうな表情のAは

贔屓目無しに見てもかなり綺麗で、他の女に走った彼氏を心底馬鹿だと思う




俺が欲しくてたまらないAを手に入れていた癖に、傷つけるなんて本当に大馬鹿野郎だ


別れて正解






「お前にダメなとこなんかねぇよ。」




俺がそう答えると、一瞬キョトンとした顔でこっちを見上げて



『･････んふふ、』



嬉しそうに笑った









『志摩さんみたいな人が恋人なら、しあわせなんでしょうね』







そう言って笑いかけるAが綺麗で、






思わずキスをした









『、、、、、えっ？』








一瞬で酔いが冷めたように停止したA








「キスされてもいいって思ってる相手だから避けないんでしょ？」




ニヤっと笑い居酒屋での台詞を言って、Aを離して歩き出す





置いてくぞ―と声をかけると真っ赤になりながら慌てて追いかけてくるAが可愛かった









彼氏が居ないと分かれば


これから堂々と口説き落としてやるよ







-END-



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