短・中 編１

二番目でもいいなんて9：志摩 ページ32

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私はずっと、一未にとって一番だったの･･･？






一番愛おしいって思ってくれてたの････？






今もずっと････







恥ずかしがって滅多にこんな事を言わない一未が


わざわざこれを伝える為だけに会いに来た






それだけで、私の今までの不安や疑問には十分な答えだった







『一未、、』





立ち去ろうと歩き始めた一未を、俯いたまま呼んでみた



普通なら聞こえないかもしれない音量の声だったのに





「ん････？」



一未は優しく答えてくれた








『････私、ずっと一未の事･･･疑ってた。』




俯いたまま話し始めた私に、ゆっくりと近づく一未の足音






『一未は桔梗さんへの想いを持ったまま、私に責任を感じて付き合ってくれてるって思ってた。

一未と一緒に居られるなら二番目でもいい････この傷がある内は、一未は私から離れないって････
無理矢理一未を縛り付けてたの。』









「･････俺は、責任を感じて付き合った訳でもないし、縛り付けられてもない。」





目の前にしゃがみ込んだ一未は、優しい声でそう言って私の両頬に手を添えた







「Aが一番大切で、一番大好きなんだ。


二番目でもいいなんて、そんな悲しい事思わないでくれ･･･」







真っすぐ私を見つめる一未の瞳は、少し濡れていて

困ったような顔をしていた






『･････ごめんなさい、、』




「そう思わせてしまったのは俺だから、、本当にごめん」




『違う、、私がちゃんと言えずに思い込んでたから･･･』




「俺がちゃんと言わなかったからだ････」









「『････････ふふっ』」





お互いが譲らない会話に、思わず見つめ合い笑みが零れた









私の目から流れる涙を拭い、両手を握ってくれた一未の瞳には

幸せそうな顔をした私が映っていた









「もう一回、俺の隣で一緒に歩いてくれないか？」








『････うんっ』








一未は、また泣いてしまった私を

ハハッと笑いキツく抱きしめてくれた





――――――――――･･･




「好きな人が出来たって、あれ本当じゃないよな？」



帰り道に突然聞いてきた一未は
私が「うん、嘘」と伝えるとホッとしたような表情になって可愛かった





『そういえば、伊吹さんって面白いね』



「伊吹に興味は持つな」



『今度紹介してね』



絶対嫌だ。と今度は拗ねた顔になった一未も可愛かった。





-END-

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