短・中 編１

二番目でもいいなんて6：志摩 ページ29

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数日後



―404車内








伊「なぁ志摩」


「何だ」




運転しながら俺に声をかける伊吹の顔をチラッと見ると、いつもより真剣な顔をしていて真面目な話かと思い返事を返した






伊「Aちゃんと何かあった？」



「、、、は？」



伊「Aちゃんと付き合ってんだろ？」



「････どこから仕入れたんだ」





恐らく情報源は陣馬さん辺りだろうなと思いながらも

伊吹の質問にどう答えるべきか考える




伊「何であの時教えてくんなかった訳？」



「別に意味は無ぇよ」



伊「喧嘩でもした？」



「してない」



伊「目も合わせてなかったじゃん。おかしくない？」





伊吹の中で、あの時の俺たちはよっぽど違和感があったんだろうな









「････もう別れたんだよ」







伊「えっ！？そうなの？？」


俺の言葉に心底驚いたと言う表情で反応する伊吹に俺は続ける






「好きな人が出来たんだとよ」




伊「･････好きな人･･･」




「だから俺らはもう関係無い」



自分に言い聞かせる様にそう言うと、伊吹は納得いかないような顔をした







伊「ん―････？」




「何だ」




伊「好きな人ができたってAちゃんが言ったの？」





「･･･それが何だ」


今更嫌な記憶を呼び起こさせないでくれ







伊「でもAちゃん言ってたよ。





気持ちは6年前からずっと変わらないって。」








「､､､､お前会ったのか？」




伊「うん。志摩と付き合ってる事は知らないフリして、彼氏いるの―？とか彼氏とラブラブ？とか色々聞いちゃった･･･別れてると思わなくて、、ごめん」





コイツの行動力は本当に侮れない





「6年前から言うほど好きじゃなかったってだけの事だろ」





都合よく解釈して傷つきたくなくて、素っ気なく返事をして窓の外を眺めていると伊吹からは予想外の言葉をかけられた









伊「何で志摩はそんなにビビってんの？」





「･････は？」




伊「まだ好きなんじゃん。何で好きな人ができたって言われてすんなり諦めてんの？」




「お前何言ってんだ。どう考えても無理だろ」




伊「Aちゃんってそんな子なの？好きな人ができたからバイバーイみたいな」




「････いや」





伊吹に言われてようやく冷静に考えられた



確かにアイツがそんな事言うなんて変だ



仮に本当に好きな人ができても、あんな伝え方をするような子じゃない







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