犬猿同期と伊吹くん 3 ページ11
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クラブに潜入して1時間
『そのしかめっ面止めてくんない?』
お酒を片手に笑顔を貼り着けたままのAに指摘され、そこでようやく自分が笑っていない事に気付いた
「あ、あぁ・・・ごめん」
素直に謝る俺に拍子抜けしたのか、Aは何も言わずに周りに視線を移動した
正直隣に居るAの見たことない姿にドキっとしたし
俺が側に居なかったら絶対すぐ男に声かけられんだろうなとか考えてモヤっとしてるし
志摩もAに気があんのかとか考えると何かムカついて笑顔を忘れてしまう
外に居る志摩からの連絡もなく、周りにも犯人らしい姿はない
一緒に来てるのに喋らないのも不自然だよな・・・・
「お前さ」
『・・・・・』
俺が話しかけると黙ってこっちを見たAはいつもと全然違う雰囲気で別人みたいなのに、ちゃんとAの面影もある綺麗な顔で
そんな顔に上目遣いで見上げられて思わず目を逸らせてしまう
「いつから機捜にいんの」
俺が4機捜に来てもうだいぶ経つけど、Aが1機捜に居るのを知ったのは3ヶ月くらい前で
その頃既に志摩とは親しげに話す仲だったみたいだ
『2年前。所轄でも志摩さんと一緒だったし、機捜に来てからもちょくちょく飲みに連れて行ってもらってたから私は伊吹が居るの知ってたよ』
4機捜になる前からか・・・・
つ―か飲みに行く仲なのかよ
「ふ―ん。何、志摩の事狙ってんの?」
『は?』
「お前に志摩は合わないだろ〜頭堅い同士だし?あ、逆にそれが合うのかな?」
『・・・・・中学生か』
何故かムカムカして八つ当たりみたいな態度をとってしまった俺を見て、Aは呆れたように溜息を付きグラスを置いてどこかへ歩き始めた
離れる訳にもいかず、黙って付いて来いと言わんばかりの背中を追いかける
角を曲がると薄暗い照明の中、扉がいくつかある廊下の壁に凭れてAがこっちをチラッと見た
「ったく、、勝手に離れんなよ」
俺が文句を言いながら近づくと急に腕を引っ張られAにぶつかりかけて、咄嗟にもう片方の肘を壁に付いた
・・・・・俺が壁に追いやって迫ってるみたいじゃねぇか
でもAは無意味にこんな事しないのは分かってる
きっと何か見つけたんだろう
俺の顔の下にはAの額が見えていて、綺麗なデコしてんなーなんて呑気な事を考えてしまう
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ちゅん(プロフ) - コウノドリ!!!コウノドリ好きなのでお話入ってて嬉しかったです!これからも応援してます!頑張って下さい!! (2020年12月26日 17時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
con(プロフ) - 由羽さん» ありがとうございます♪楽しんで頂けて嬉しいです( *´艸`) (2020年10月21日 16時) (レス) id: 984b2836e2 (このIDを非表示/違反報告)
由羽 - とても面白かったです!!最高でした☆いつも楽しませてもらってます(*^^*) (2020年10月20日 21時) (レス) id: 7535220b5c (このIDを非表示/違反報告)
con(プロフ) - puppy0408さん» 犬404を飼いたすぎて作っちゃいました!!(笑)少しでも笑ってもらえると嬉しいです♪ (2020年10月19日 15時) (レス) id: 984b2836e2 (このIDを非表示/違反報告)
puppy0408(プロフ) - い、いぬーーー!志摩さんと伊吹が犬になる話が読めるのはココだけ!!!最高です!!!笑 (2020年10月18日 23時) (レス) id: 6a087230a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狐 | 作成日時:2020年9月17日 21時