心を乱す警察犬２

58：制圧完了 ページ9

.





高「そこまで！」







見守っていた志摩と高橋の目の前には



俯せで地面に押さえ付けられた伊吹と、その腕を後ろに回して伊吹の動きを封じるAが居た









志「伊吹の動体視力は対戦相手になると厄介だったろ」



『はい、かなり』





Aが伊吹の手を解放して立ち上がると、イテテと言いながら上体を起こした伊吹は座り込んだ







「急に消えたからびっくりした」


志「お前の長身を利用されたな」


高「小柄な先輩ならではの動きでしたね」









「でもまぁ、、うん。Aちゃんの気持ちは分かったよ」




『伊吹さんが心配してくれる限り、私は私を大事にするし、自分の身も守ります』




「うん。分かった。俺の彼女は最高に可愛くて最高に強いもんね！」






後ろに手をついて微笑む伊吹の横にAがしゃがみ込み、へへっとハニカムと"きゅるきゅる〜”等とお馴染みの会話を繰り広げた









志「Aを怒らせて締められない事を祈るしかねぇな」


高「俺も気をつけよう、、、」









「あ！でもAちゃん刺された前科があるんだから、武器持った相手には突っ込んで行かないでね！」


『あー、ありましたね、そんな事も。あの日食事当番替わってくれた志摩さんが作ってくれた焼きそば美味しかったなぁ〜』


志「焼きそば食べたくなってきたな。A、今日焼きそばがいい」


『へ〜い。あ、キャベツあったかな』


高「腹減ってきた」


志「高橋くんも来なよ」







「コラ！話逸らさない！！！ちょ、待ってよ！俺も焼きそば食べる！」






盛り上がりながら歩き出した三人を追いかけた伊吹は何だかんだ悔しかったのか


その日の夜、ゲームでAに勝ってドヤ顔しまくったのだった



.

59：高橋巡査部長の日常→←57：守る側で居たい彼女

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す