57:守る側で居たい彼女 ページ8
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高「じゃあ始めますね。伊吹さんは先輩を制圧してください。」
「、、、一応聞くけど制限時間は?」
志「無しだろ」
『無しでいいですよ』
「ふ〜ん、、なんかよく分かんないけど、俺まだ怒ってるからね」
『なら、本気で来てください。』
「俺が言いたい事、分からせる」
伊吹は、Aを制圧するなんて嫌だし怪我なんてさせたくないと思いながらも、志摩や高橋の口ぶりからしてAは体術に自信があるのだと感じ、怪我をさせない程度に犯人制圧の危険性を伝えようと考えていた
高「開始!」
高橋の掛け声と共に正面から突っ込んできたAに手首を捕らえられそうになった
「っぶね!」
持ち前の動体視力で咄嗟に避けたものの、あまりのスピードにバランスを崩し少しよろめく
志「Aは小柄な分動きが早いぞ。油断するなよ」
背後から聞こえた志摩の声と同時にAが伊吹に駆け寄った
そして伊吹はその動きを瞬時に判断してAの後ろに回り込む
「正面ばっかだと後ろ取られるよ!」
背後からAの肩を掴もうと手を出した瞬間左側に影が見えて慌てて飛び退く
高「おぉ〜」
志「流石の動体視力だな」
反射的に身体が勝手に反応したに近い伊吹の動きだったが、普通ならば間違いなく左からの攻撃を受けていただろう
「あの速さで回し蹴り!??」
高「先輩結構本気っすね」
志「まぁアイツはいつでも本気だしな。伊吹は1回くらいAにやられとけばいいと思う」
後方で志摩が不吉な事を言う中、伊吹は思っていた以上に自分に余裕が無い事に驚いていた
「Aちゃん、こんなに強かったんだね」
『強いかは分かりませんが、警察官として必要な技術は心得ているつもりです』
「そっか。たくさん訓練してきたんだね」
『男女に力の差があるのは当然ですし理解しています。
伊吹さんが女だからと見下してる訳では無い事も分かっています。
私の身を案じて怒ってくれた事も分かっています。
だけど、私は刑事だから
その時に最善の行動であれば危険な事もします。
危険な事をするからこそ、危険を上手く回避できるような技を身につけているんです』
そう呟いた瞬間、伊吹の視界からフッとAが消え直後に背中へ衝撃を受けた
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ななサマ - 最高!騙されちゃう伊吹さん面白いし、私まで騙されちゃいました! (2022年5月3日 22時) (レス) @page18 id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ - とてもおもしろいです^^振り回される伊吹がかわいい(笑)また更新楽しみにしてます! (2021年3月29日 22時) (レス) id: 170640e9dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狐 | 作成日時:2020年12月12日 0時