52:自覚しろ! ページ3
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伊「俺・・・・!?」
『だからそうだって言ってるでしょ!』
キョトンとする伊吹と珍しく怒っているAを見て、志摩は予想外の展開に大きく溜息をついて立ち上がり2人の間に移動する
志「・・・つまり鮫島はそういう趣向の人で伊吹に惚れていて、何かと仲の良さそうなAに色々情報を聞き出し協力を仰いでたって事か」
眉間に皺を寄せたまま腕を組んで頷くAの姿に志摩は、刑事として今後はもっとあらゆる方向に仮説を立てる必要があるなと反省していた
それと同時に、Aがストーカーされていると思い込んでいる自分達を高橋が面白がっていた事に気付き思わず舌打ちが出る
伊「俺、、てっきりAちゃんが付き纏われてるのかと・・・・」
『伊吹さん。私伊吹さんの彼女ですよ?志摩さんに一番可愛がられてる後輩ですよ?』
志「自分で言うなよ」
『そんなお2人と一緒に暮らしてるんですよ?何かあったら相談するに決まってるじゃないですか』
伊「Aちゃん・・・・」
『1人で悩むなんて面倒くさい事する訳ないでしょ。私を見くびらないでいただけますか』
ドヤ顔で言う事では無いぞ、と思いながらもハッキリとそう言い切るAを見て志摩は笑みが零れる
女性警官としての不条理さに泣いて悩んで1人で苦しんでいた出会った頃のAはもう居らず、今では迷わず伊吹や自分に頼るんだと胸を張って言い切るまでに成長した後輩の姿に心から安堵し、頭にポンッと手を置いた
志「高橋に相談はしてたみたいだけど、俺には言っても良かったんじゃないか?」
『だって伊吹さんが常に私か志摩さんの側に居るじゃないですか・・・』
確かに伊吹は仕事場で志摩の隣、家ではAの隣にずっと居る
『伊吹さんお風呂早いし耳もいいし、志摩さんに話せるタイミング無かったんです』
不貞腐れた様にそう呟くAに志摩が 確かにな・・・。と返事をして伊吹を見ると、ハッと視線に気付きAに駆け寄る
「Aちゃん!勘違いして怒ってごめんね!俺も怒る前に聞けば良かった・・・反省してます」
申し訳なさそうに猫背になりながら謝る伊吹は眉が下がり悲しそうな表情をしていて、志摩とAにはシュンとした犬の垂れた耳が見えた
『私も、言えば良かったですね。すみませんでした』
志「で、どうするんだ?」
伊「ん?」
志「鮫島さん」
伊「あ―・・・・」
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ななサマ - 最高!騙されちゃう伊吹さん面白いし、私まで騙されちゃいました! (2022年5月3日 22時) (レス) @page18 id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ - とてもおもしろいです^^振り回される伊吹がかわいい(笑)また更新楽しみにしてます! (2021年3月29日 22時) (レス) id: 170640e9dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狐 | 作成日時:2020年12月12日 0時