新しい一歩 (ページ3)

今日:15 hit、昨日:2 hit、合計:91,129 hit

2 ページ3

.

―4機捜分駐所

伊「なぁ志摩！し――ま！志摩ちゃん！志摩ってば―！」

志「うるさい、しつこいぞ」

伊「じゃあ教えてくれてもいいだろ！」

九「さっきから何を騒いでるんですか？」

現場から帰るなり延々志摩の名前を呼び続ける伊吹に、思わず声をかけた九重

伊「いやさ、さっき現場で捜査一課の可愛い女の子と会ったんだけど、志摩は知り合いだったっぽいのに教えてくんないの」

陣「捜査一課の女の子･････あぁ、Aの事か」

九重の隣で話を聞いていた陣馬がポロっと呟くと、すかさず伊吹が食いついた

伊「陣馬さん知ってんの！？」

陣「あ、あぁ･･･まぁな」

九「捜査一課に椎名Aさんという、検挙率トップの敏腕刑事が居ると聞きましたがその方ですか？」

伊「検挙率トップ！？そんな凄い刑事なんだ！」

九「という事は、志摩さんは捜査一課でその方と一緒だったのでは？」

志「･････あぁ。」

九重の質問に一言だけ返すと、志摩は書類を持って部屋を出てしまった

伊「なーんか椎名ちゃんと会ってからずっとあんな感じなんだよね～。絶対何かあったじゃん」

陣「まぁ、生きてりゃ色々あるだろ。放っといてやれ」

伊「陣馬さんは何か知ってんの？」

陣「言っとくが俺は何も言わねぇぞ」

――――――――――･･･

久しぶりに会ったAは

あの頃よりかなり髪も伸びて

顔つきも随分大人びた女性になっていた

―“一未くん！”

俺の中の彼女は、無邪気な子供のように笑っている

だが実際は、年月を重ね

俺の知らない大人の女性になっていたんだな

.