32:貴重な存在 ページ33
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―――・・・
『理解してくれる人か、、、』
1人になったベランダで、少し減ったココアを見つめながら先ほどの志摩さんの言葉を思い出す
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―“理解してくれる奴なら居るだろ”
―“アイツはバカだけど、絶対にお前を見下さないし見捨てない”
―“警察官としても女性としても、お前を1人の人間として尊敬してると思うぞ”
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ま、バカだけどな。と笑いながら部屋へと戻って行った志摩さんが、誰の事を言っているのかは分かってる
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「あれ?Aちゃん、こんなとこに居たの?」
『あ、はい。黄昏てました(笑)』
後ろから元気な伊吹さんの声が聞こえて振り返ると、いつもの笑顔がより一層輝いて見えた
悩むのもらしくないなと立ち上がり部屋へと入るが、先ほどまで喋っていたクルクル頭の先輩が見当たらない
『志摩さんは?』
伊「何か陣馬さんに呼ばれて出てったよ〜」
ん―!と身体を伸ばす伊吹さんを横目に、カップを台所に置く
伊「あ!そうだそうだ、Aちゃんまた俺とデートしてくれる?」
伊吹さんの少し甘えたような言い方に思わず振り返ると
リビングのテーブルに突っ伏しながらこっちを見ていた
そのまま伊吹さんの方へ近づくとテーブルの上には雑誌が広げられていて、色んなデートスポットが載っていた
『次はどこに連れて行ってくれるんですか?』
テーブルの角を挟んで隣に座り雑誌を覗き込みながらそう言うと
伊吹さんはパッと嬉しそうな笑顔になり、えっとね〜・・・とページをめくり始めた
少し前から感じてた
伊吹さんと一緒に居ると心が落ち着くというか
悩みなんて消え去って、全力で今を楽しめる感じがする
こういう人と一緒に居られたら
どんな事でも乗り越えられるんだろうな
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『伊吹さん』
伊「ん―?」
ペラペラとめくる雑誌に視線を向けたまま返事をする伊吹さんを見てフフッと笑みが零れる
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『私、伊吹さんの事好きみたいです』
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常夏(プロフ) - 志摩の「何故それを俺に言う。俺がチビだって言いたいのか?ん?」がめちゃくちゃ好きです笑 (2020年12月20日 20時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
狐con(プロフ) - せいさん» ありがとうございます!色々手を付けてしまってなかなか進展せずすみません( ;∀;)もっと寝る前や仕事中(笑)にニヨニヨして頂けるように頑張りますね!(*^^*)w (2020年12月10日 23時) (レス) id: 25dde9ffbe (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - いろいろと読ませて頂いてます(≧∇≦)蜘蛛女等々好きです♪更新楽しみにしてます!MIUロスでこのサイトに流れ着きどっぷりハマってまして(笑)伊吹も志摩も読みながらニヨニヨしてしまっています!寝る前、仕事中(笑)と癒されてます! (2020年11月24日 14時) (レス) id: 9ad3d129d2 (このIDを非表示/違反報告)
con(プロフ) - pgicさん» きっと志摩さんも3人暮らしが居心地よくなっちゃって寂しいんです(笑)伊吹と主人公ちゃんが志摩さん大好きすぎるのかもしれませんね( *´艸`) (2020年10月3日 21時) (レス) id: 984b2836e2 (このIDを非表示/違反報告)
pgic(プロフ) - はわわわわ!引っ越すんだ〜!?志摩さん!!いいのーー!?優しい笑続きが気になって仕方ないです!! (2020年10月2日 20時) (レス) id: 7488c18acb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狐 | 作成日時:2020年9月11日 11時