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―志摩 side
―2日後
「今病院から連絡があった。
Aの意識が戻ったそうよ。」
隊長からの連絡をもらい、伊吹と共に急いで病院へ向かった
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―ガラッ
伊「A!!」
名前を叫びながら扉を勢いよく開ける伊吹に続いて病室に入ると
『・・・志摩・・さん、伊・・・吹さん・・・・・』
酸素マスクを付けたままの傷だらけなAが、小さな声で俺たちの名前を呼んだ
志「Aっ・・・・・良かった・・・・」
伊「A、、ほんとに・・・良かった」
伊吹はAの手を握りしめたまま座り込み涙を浮かべていた
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Aの意識が戻ってからも俺たちは毎日病院に通った
伊「今日も始末書いっぱい書いてきたんだ〜」
『始末書を書く事がなくなるといいですね』
この数日間、眠るAに話しかけ続けるも一方通行だった言葉にようやく返事が返ってくる事が嬉しくて、俺も伊吹も病院に来る度にくだらない事をたくさん話すようになった
少しずつ回復し、身体を起こして過ごせるようになったAの袖から見える痛々しい包帯を見ながら声をかける
志「怪我の方はどうだ」
『まだ少し痛みはありますが問題ありません』
志「そうか」
伊「顔の傷、綺麗に消えるかなぁ・・・」
『こんなのかすり傷ですし、残っても問題ないですよ』
伊「身体の傷だって完全には消えないだろうし、Aの綺麗な顔にまで傷が残るのは嫌だよ・・・」
志「そうだな、せめて顔だけでも傷が消えてくれるといいんだが」
きっとこれからもAの身体には3発の銃弾の跡が残るだろう
こんな小さな身体で3発もの銃弾を受け、傷跡まで残るなんて・・・・
Aにはもう辛い思いをして欲しくない
『刑事をやってたら傷くらい付きます。そういうのも覚悟の上で警察官になりましたから。』
そう当たり前のように答えるA
違うんだ
そうじゃない
俺は
伊「俺は刑事のAも大事だけど、女の子としてのAも大事だし、Aにも自分を大事にして欲しいよ」
強くAの手を握りながらそう伝える伊吹を見ながら、こんなにも真っすぐに気持ちを伝えられる相棒を羨ましく思った
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狐(プロフ) - 佐原さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます\(^^)/楽しんで頂けるよう頑張ります! (2020年8月30日 21時) (レス) id: a6b410efd0 (このIDを非表示/違反報告)
佐原 - 面白くて前編から一気に読みました!主人公ちゃんの過去フラグ……続きがとても楽しみです! (2020年8月30日 13時) (レス) id: f7166a3ef5 (このIDを非表示/違反報告)
con(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!修正しました! (2020年8月27日 16時) (レス) id: 984b2836e2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 11の次、14になってます! (2020年8月27日 14時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
con(プロフ) - hinano92さん» ありがとうございます(^^♪とても励みになります!今後も楽しんで頂けるよう頑張ります! (2020年8月25日 19時) (レス) id: 984b2836e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狐 | 作成日時:2020年8月25日 13時