蜘蛛女...2

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―･･･



もうすぐ隊長の家だという所で信号にひっかかる



『あーもう。』




急いでいる時の信号は警察官でもイライラしてしまうが、事故を起こしていては余計遅れるだけだと自分に言い聞かせ停止すると視界の端にストールを巻いた女性が路地に入った姿を発見し、思わず女性を追いかけバイクを走らせ始めた









『見つけた！』



前に回り込み顔を確認すると写真と同じ人物だったと確信する




『あ、ごめんなさい、警察です。』


羽「え、あ、警察の方･･･」


突然現れたAに警戒している彼女を安心させるべくバイクを止め、ヘルメットを外し手帳を見せる






『羽野さんですね？』


羽「え･･･はい･･･」


『良かった････桔梗隊長が心配しています。一緒に来て下さい』


羽「あ、でも私ちょっと待ち合わせしてて････」


『待ち合わせ･･･？誰と･･･ですか』


羽「えっと･･･」



追われている身で何を言っているんだと言わんばかりの表情で問うAに、少し動揺しながら答えようとすると





「麦さん･･･？」


羽「ナリくん！」



Aの背後から聞こえた声に反応する羽野麦に答えるように近づく男



「えっと････大丈夫ですか？」


羽「あ、うん、大丈夫なんだけど･･･」


『ナリ･･･？････あ、』



動揺している羽野麦を見て心配している男を見ると、顔と呼ばれた名前が頭ですぐに一致した





『待ち合わせって彼とですか』


羽「はい･･･」


『なるほど。分かりました』




この瞬間、Aの脳内でピースが繋がった




恐らく羽野麦を捜索するツイートは、色んな人物に化けた架空アカウントから複数の人間を装って投稿されたもの


そして何らかの方法で羽野麦と連絡先を交換した彼、成川が羽野麦を呼び出した


ただの友達として呼び出したのでは無いはず





この成川という男はクズミという男と繋がっていて、クズミはエトリと繋がっているはずだから






『 4機捜から機捜本部 桔梗隊長宛て 』


＜ 機捜本部 こちら桔梗。椎名ね、どうした ＞


『 〇〇交差点付近にて彼女を見つけ、保護しました。成川岳と一緒です 』


＜ 成川と一緒！？分かったわ、すぐに応援を呼ぶ ＞




無線で話し始めたAを見て青ざめ始める成川


「え、この人･･･警察････」


羽「あ、うん、そうなの」


「･････麦さん、こっち！」


羽「え！？ナリくん！？」


『！！！待て！』






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