蜘蛛女...2

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―分駐所





伊「いやぁ〜、今日もAはきゅるきゅるで可愛いねぇ」



デスクで頬杖をつきながら、斜め前のAを見つめる伊吹




志「お前は･･･真面目に仕事しろ」


伊「だってさぁ、こーんな可愛い子が近くに居たら見るっきゃなくない？」


九「伊吹さんは女性だったら誰でもいいんですね」


伊「んな事ねぇよ、きゅるっとしてる子がいい！てかAがいい！」


志「ハムちゃんにもデレデレしてんじゃねぇか」


伊「ハムちゃんも好き！きゅるっとちゃんはみーんな好き！」


陣「ごちゃごちゃ言ってねーでとっとと手を動かせ！手を！Aにも無視されてんだからいい加減静かにしろ！」


伊「あれはAの照れ隠しだって〜」


志「お前のその底抜けのポジティブさはどこから来るんだ」




相変わらずの401と404に囲まれながらも黙々と仕事をするA








そこへ、ヒールの音を鳴らしながら颯爽と桔梗が入ってくる






桔「うちに盗聴器が仕掛けられた件、進展があった。」





その言葉に全員が立ち上がり、桔梗の取り出したタブレットを覗き込む





桔「修理業者に金を積んで盗聴器を仕掛けられるよう頼んだやつが居て、車の色しか分からなくて時間がかかったけど辰井組の事務所に出入りしてる車だった」



九「エトリと関係が･･･?」


桔「えぇ」


『貧困ヤクザだった辰井組は、エトリからの資金援助があって今の勢力になったみたいですね』





桔「今辰井組の関係者を組対4課が張ってるんだけど、気になる写真を見つけた」



そう言いながら、見覚えのある少年が映る写真を見せる




志「虚偽通報の陸上部･･･？」


桔「似てるよね」


伊「てか本人じゃね？」


陣「あの時一人だけ捕まらなかった生徒か」


桔「西武蔵野署に確認したら、行方不明のままあれから帰ってないみたい」


陣「親後さんも心配だなぁ」


桔「それが、あんまり探す気ないみたいだった」


伊「ひでぇ親だな」


志「署に送って親に確認してもらいます」


桔「頼む」



404が動きだすと、それまで黙っていた九重が声を上げる




九「あの！私が直接行ってはダメでしょうか。成川を見過ごしたは自分です。あの時、成川にあたったのが自分じゃなければ･･･！」




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