短・中 編２

モブ女の日常２ ページ27

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九「そういう意味じゃ無いなら･･･志摩さん達を好いとるって事？」



『あ、そういうのじゃない。全く。私はあくまでもモブだから。コンビの絆を見ていたいだけなの。2人の掛け合いとかコンビネーションとか見てるとワクワクするしゾクゾクするし、いいな―ってなるの。』



九「ふ―ん、、、」





あっけらかんとそう言い放つ彼女に、何故か少しだけホッとしたのは気のせいだと思っておく。








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Aと飲んだ数日後

出勤してすぐに聞き逃せない会話が耳に入ってきた







伊「スパイダーにさ、めっちゃきゅるきゅるな子いんじゃん？」



志「あぁ、椎名さんな」



伊「下の名前は？」



志「････Aさん」



伊「Aちゃんか〜可愛い名前〜♪てか志摩よく知ってたね」



志「･･･まぁ、たまたまな」



伊「ほんとは志摩も狙ってたんじゃないの〜？」



志「志摩“も”って何だ。お前狙ってんのか」



伊「え、だってめっちゃ可愛いしお近づきりなりたいじゃん？」



志「････迷惑だろ、やめとけ」







九「そうですよ、ただでさえ伊吹さんは騒がしいんですから」




Aの顔を思い出しながらニヤニヤしている伊吹さんと、偶然フルネームを覚えていたとは到底思えない態度の志摩さんの姿を見て咄嗟に声を出してしまった







伊「え〜〜九ちゃんヒドーい！」



九「それに、伊吹さん達には無理だと思いますよ」



志「ん？」



伊「どういう事？」



九「あ、いや････今は誰とも付き合う気無いらしですから」





謎の焦りからつい口走ってしまい、咄嗟に誤魔化したものの志摩さんは凄く怪しんでいる




誰とも付き合う気はないというのは少し盛ったけど、志摩さんと伊吹さんに恋愛感情は無いって言ってたから遠からず近からずだとは思う




俺は割と鈍感だと言われるけど、この2人がAに好意を持っているのが何故か分かった


直感というか、何か嫌な感じがしてどうにか邪魔をしようと思ってしまった





これで諦めてくれたら嬉しいんだけど









伊「でも今は、でしょ？じゃあ明日には気が変わるかもしんないって事じゃん？」



志「ポジティブだな」



伊「好きになれば考えも変わるだろうし〜Aちゃんが俺を好きになってくれたら望みはあるじゃん？」



志「まぁ、間違ってはないな」






2人はかなりの強敵だった





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