短・中 編２

主人公が犬になるお話７ ページ12

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志摩が荷物を隅に置くと、タンッと可愛らしい足音と共に伊吹の背中から降りたAが寄ってきた




志「ん？」




足元に目をやると、尻尾を振りながらヘッヘッと舌を出しながらこちらを見つめるA


その顔は、主人に褒められたい犬そのもので志摩はすぐにしゃがんでAを撫でた




志「伊吹の面倒見てくれてありがとうな」



伊「え〜？ちょっとちょっと、俺がAちゃんを見てたんだよ？」



志「どうせお前が遊びたそうにしてたんだろ？きっとAは仕方なく付き合ってやっただけだ」






流石相棒、お見通しなんだなぁ。と改めて感心したAだった








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犬の姿とは言え、女性に自分たちの目の前でトイレをさせる訳にもいかず

シャワーを出して欲しいとスマホに打ち込んだAと風呂場に行き、志摩はシャワーだけ出してリビングへ戻る



トイレの為に1人で外に行かせる訳にもいかず、今日1日くらいは風呂場で済ませてシャワーで流せば問題はないだろうという結論に至ったものの、明日元に戻らなかった場合はどうするべきか志摩達は悩んでいた







伊「そういえばさ、Aちゃんって犬になった時服散らばってたんだよね？」


志「あぁ、そう言ってたな」





伊「･････それってさ、、戻った時も裸って事だよね？」






伊吹の呟きに志摩の動きが止まり沈黙が流れた時、Aが戻ってきた






クゥ〜ン＜すみません、シャワー止めてもらえますか？＞





志「あ、止めてくる」





風呂場へ行きシャワーを止めた志摩は、先ほどの会話の件をどう解決するべきか必死に考えていた





自分たちの時は何故か戻った時には服を着ている状態だった


そもそも犬になったと思われる場所に自分たちの服も無かったから何の違和感も無かったが、よくよく考えてみれば可笑しな話ではある


しかし根本的に自分たちに起こった状況そのものが可笑しな出来事である以上、服事情が可笑しいというのも変な話だ









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PM11：20






伊「そろそろ寝る〜？」


志「そうだな」




ソファーに座りテレビを観ていた志摩と、その足元に座り携帯をいじっていた伊吹が寝る準備を始めようと立ち上がる





志「A･･･？」


伊「あれ、どこ行った？」


志「さっきまで隣に居たんだけど････」





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