短・中 編２

藍ちゃんは勝てません１ ページ1

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ここ、警視庁刑事部第4機動捜査隊では

毎朝とある攻防が繰り広げられている








『いっぶきさ〜〜ん！』



「Aちゃん、おはよ〜。今日も可愛いね！」



『おはようございます！今日も今日とてイケメンですね！』



「Aちゃんのきゅるっとさに朝から胸がドキドキしちゃう〜」






出勤した伊吹に駆け寄って笑顔で褒めるAに対し、同じく笑顔で褒める伊吹




その後ろを伊吹の相棒である志摩がしらけた表情で通過する





志「お前ら毎朝毎朝飽きもせずよくやるな･･･」





『だって毎日伊吹さんの恰好良さは更新されてるんですよ？それを伝えない訳にはいかなくないですか？』



志「ちょっと何言ってるか分からない」



自分のデスクに向かうと、後ろから持論を繰り広げながら付いてきたAが自分の席である志摩の隣に座る




『志摩さんも勿論恰好いいですよ！』



志「あ、別に言って欲しいとかじゃないんで結構です」



『結構しないで下さい!!』



「Aちゃんの可愛さも毎日更新されてってんだよね〜」




いつの間にか伊吹から志摩へと話す対象が移っていたAに、伊吹が俺を忘れるなと言わんばかりにカットインして再び話題を戻したが、Aは伊吹の言葉に少しむくれながら口を開いた





『私、可愛いより恰好いい女になりたいです！』






志「フッ」



『今鼻で笑った!!!!』



「え〜、可愛くていいじゃん！俺は恰好いいより可愛らしいAちゃん好きだよ？」








毎朝お互いを褒め合う2人が何故付き合っていないのか不思議で仕方ない志摩だった








――――――――――･･･






深夜3時を回り、志摩・陣馬・九重が仮眠する中


デスクに向かうAに伊吹が声をかける






「ねぇ、Aちゃん」



『はい』



「今度さ、デートしない？」



『いいですよ(笑)』



「ホント？じゃあその日はAちゃん俺のカノジョね」




その言葉にAが手を止めて視線だけをナナメ前のデスクに向けると、伊吹が頬杖をついて微笑んでいた








『、、、楽しみにしてます』


サッとパソコンに視線を戻すA





冷静なフリをしながらも心の中では動揺しまくりで、どこかへこの感情をぶつけたい余りに手元の画面には【やばいやばい何この色気イケメンすぎる破壊力半端ない】と入力していた








恒例の褒め殺しバトルに勝敗がつく日も遠くないかもしれない








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