キミのトリコ！３

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「自分の家帰んの？」

ほっぺたをぐにぐにされたまま、質問が飛んでくる。


『うん、撮影とかもあるし』
「まぁそうだよな」
『いつでも遊びに来ていいよ』
「マジでしょっちゅう行っちゃうわ」
『一人やとご飯テキトーそうで心配やけんしょっちゅう来て』
「リクエストしたら作ってくれんの？」
『買い物行く前のお昼頃とかに言ってくれたら対応可能』
「俺めっちゃ幸せ者やん」
『次は何が食べたい？結構融通きくよ』

動画で色々作ったりしている私に比べれば優太くんのお家は調味料も調味器具も少ないのは致し方ない。

私の家やったら大体なんでも揃っとるし、基本何でも作れるよって意味でそう言ったら、頬をこねくり回されてた両手が、ぎゅっと力を入れて両サイドから挟み潰される。最悪！絶対ブサイク！



「これ食べたい」


どれ？って聞いたつもりなのに、容赦なくプレスされとるせいで『どぇ？』みたいになった。


「これ。この人」

その言葉に、優太くんの言う「これ」が、「私自身」だということに気付く。



「めっちゃチューしたい」
『……そんな、意思表明せんでよ』
「…いい？」
『…聞かんでよ…！！』


「…するわ」


頬を両手で潰されたまま、目を瞑ると、優太くんの唇が降ってきた。

一回かと思いきや、何度も何度も啄まれて、だんだん両手の力が弱くなっていってそのうち頬を優しく包まれている程度の力になる。


触れるだけの可愛いチューは、いつの間にか少しずつ深くなっていって、漏れる吐息がどちらのものか分からなくなって、どんどん頭がボーッとしていく。


やっと離れたと思ったら、また始まって、を何度も繰り返す。幸せだけど、何時間する気…？って冷静な自分もおる。


今度こそ本当に離れて、上がった息を整えていると、両頬を包まれていた手が背中に回ってきて、ぎゅっと抱きしめられた。



「あー、もう、マジで大好き」

耳元で、大好きな低い声がしたと思ったら、私の存在を確かめるみたいに抱きしめる力が強くなって、ちょっと苦しいくらい締め付けられる。


「うわなんか、本気でやったら潰れちゃいそうやん」
『潰れんよ、やってみて』

おねだりすると、さっきよりも強く抱きしめられる。


『おっ、思ったより来るな』
「だから言ったやん、マジ潰しちゃいそう」


守ってくれて、私を好きになってくれてありがとう。優太くんになら、潰されてもいいかも。って想いを込めて強く抱き締め返したら、「力弱え〜」って笑われた。


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