キミのトリコ！３

決着 ページ1

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私が優太くんのお家でぬくぬくと過ごしているうちに自宅に業者が入ったり、事務所の方で訴訟を進めてくれたりしていたみたいで、あっという間に犯人が捕まったと連絡が来た。
途中経過の報告が無かったのは、私を不安にさせまいというマネージャーさんの気遣いやと思う。ありがたい。

犯人は、事務所の社員さんやったって聞いて、物凄く驚いたし怖くなった。私が鞄を置いて打ち合わせを抜けた時に鍵をこっそり写真に撮られて簡単に合鍵を作られてしまったみたいで、そんなことされたらセキュリティもクソも無いやんと思う。

懲役とかは別にいらんって伝えたら、民事で損害賠償を取ることになった。思わぬ臨時収入でラッキーやなって言ったら、優太くんに「危機感なさすぎ」って怒られた。



「もうこれから動くときは貴重品持って動いて」
『そのつもりやけど、忘れそう』
「じゃあ首から下げるやつ買ってやるから、ずっとそれつけてて」
『小学生みたいやん』
「同じようなもんでしょ」
『全然違うやろ！』
「あぁ、もっと赤ちゃんか」
『めちゃくちゃ成人女性！なんなら今、優太くんより年上やし！』
「数ヶ月の違いで偉そうにすんなや」
『優太くんが産まれたとき、私もう５ヶ月の赤ちゃんやもん、そろそろ寝返り打てる頃よ？』
「今もバンザイで寝てる人がよく言うわ」
『え、私バンザイで寝とる？』
「うん、あの寝方って赤ちゃんしかしねえやん」
『マジか…なんかちょっとショック』

甘やかされるのは好きだと言ったけど、赤ちゃん扱いしてくれとは言っとらん。まあ悪い気はせんけど！


「Aちゃん見てると、赤ちゃんとか、なんかすげーちっせー犬とか見てる気持ちになるわ」
『何それ』
「あの、なんかティーカップとかに入るぐらいの犬いるやん、あれ見てるみたいな気持ちになる」
『あんな小っさくてきゅるきゅるやないよ私』
「小っさくてきゅるきゅるですよ割と」

この人には私がティーカッププードルとかそういう類に見えとるみたいや。変なの。


『でも、解決してよかった。接近禁止命令出るみたいやし』
「もー、マジで不安だわ…、ホント気を付けてよ」
『あの人優太くんより私のこと好きやったんやないかな』
「んなわけねえだろ！」

俺なんてもうソイツの何億倍も好きよ？って頬を軽くつねられて、「このほっぺたも俺のっていう優越感エグいわ」って笑う優太くん。

もう、私の全部は貴方のものですよって言おうとしたけど恥ずかしいけん辞めた。

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