キミのトリコ！２

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“ストーカー被害に遭いました”みたいな動画を上げる気は毛頭無い。


「動画のストックは？」
『…今5、6本くらいある』
「じゃあ2、3週間は動画撮らなくても平気か」
『でも居座るのはやっぱ迷惑に…』
「迷惑どころかご褒美だわ」
『……。』
「まぁ無理にとは言わないけどホテル暮らしの方が危なくね？とは思うから、友達が匿ってくれるかもってのはマネージャーさんに話してみてよ」
『……友達』

ぎゅーして寝てくれたのに、友達なんや、って、そこが引っかかってしまった。
私ってこんな面倒くさい女やった？


「自分のこと好きな男の家にしばらく泊めてもらうなんて言えねーでしょ」
『…好っ…！？』
「必要なら俺全然マネージャーさんに挨拶行くけど」
『大丈夫…！挨拶は大丈夫…！！！自分で言える…！！』
「自分で言えるね、偉いねぇ」


また頭を撫でられた。
…優太くんは本当に私のことが好きなんやろうか？
そういう風に思える時もあれば、優太くんの女の子の扱いが上手すぎて、面白がられとるんやないかって思ってしまう時もある。


何はともあれ、今日マネージャーさんに相談してみよう。
優太くんのお家に匿ってもらうのは最終手段。この人は、別の意味でストーカー被害になんかよりよっぽど危険な人やから。


打ち合わせでセルフメイクも紹介する予定やったから、化粧品を一式持ってきていたのが幸いやった。

優太くんが13時集合だと言うので、それに合わせて私も準備する。昨日と同じ服を着る訳にもいかないでしょ、って優太くんが洋服を貸してくれた。

優太くんは「別にギリまでここいても良いのに」って言ってくれたけど、『早めに打ち合わせ行くことにする』ってお断りした。

マネージャーさんに『早めに家まで迎えに来てもらってもいいですか？』って連絡をしたら二つ返事でＯＫしてくれた。
すぐ出るわ、なんかあった？って続けてメッセージが届いたけど、後で説明する、とだけ送って、優太くんについてって部屋を出る。


『バラバラに出た方が良かったかな』
「や、ソイツ居たりしたら怖いし一緒に出よ。マネージャーさん来るまで俺の車で一緒に待ってるよ」
『時間平気？』
「うん、平気」
『嘘だー。もうすぐ13時過ぎるもん』
「どうせ浦田とか遅刻してくっから、大丈夫だよ」
『……ありがとう、ごめんね』


優太くんの車の助手席に乗せてもらって、お礼とごめんねを伝えると「んゃ、全然いいよ」ってゆる〜いお返事が返ってきた。どこまでも優しい。

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