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近くのコンビニまでの夜道をふたりで並んで歩く。手が当たったついでにちょっと冒険して握ってみたら、かるーく握り返してくれたから隠れてニヤけた。
レジへ弁当を持っていくとおじちゃん店員が「Aちゃんだ」って嬉しそうに笑う。
「あれ、まーた弁当？」
「今日は引っ越し準備してて疲れちゃったんです」
「引っ越し？いやー、それは寂しくなるなぁ」
「私もです〜…あ、ベク肉まん食べない？」
店員のおじちゃんと仲良く喋るAちゃん。肉まんが入ったケースを指差してそう言うからテキトーに頷いた。おじちゃんは肉まんを袋に入れながら俺をちらっと見て微笑んだ。
「ほほう、今日はお泊まりかな？」
「お泊まりっすね」
「…肉まんやっぱいらないです」
「え、買って買ってー」
自分は無自覚に相手をその気にさせちゃうくせに、攻められると途端に逃げ腰になるAちゃん。さっさと袋を持ってコンビニから出ていく後ろ姿を目で追いかけながら、急いで歯ブラシとパンツを買うとおじちゃんがグッと親指を立てた。俺も立て返す。
「大切にしてやれよ」
すたすた歩くAちゃんに追い付くと、暗い夜道でも分かるくらい耳が赤くて、なんだか俺も恥ずかしくなる。冗談で言ったつもりだったけど、周到に用意してしまった歯ブラシとパンツをAちゃんから見えないように隠して持った。
「さっきのおじちゃんと仲良いの？」
「うん…あのコンビニ結構行くから最近仲良くなったんだけど…会う機会がなくなると思うと寂しいね」
引っ越しって、別れの方が大きいしな。ちょっと悲しげに笑うAちゃんに、この地に思い出がないわけじゃないよなと少しだけ胸がチクリと傷んだ。
「…あとでシャワー貸して」
「え？ほ、本当に泊まる気…？」
「うん。帰りたくない」
「……」
「帰れって言うなら帰るけど」
優しいAちゃんはきっと帰れなんて言わないって知ってて言うんだから、我ながら狡い。
そしてAちゃんは案の定何も言わない。
何も言わないなら都合良く解釈するまでだ。
テレビを見ながら弁当食べて、肉まんも食べて。すぐに寝転びそうになったけど一回横になると風呂もダルくなるから鞭を打って立ち上がる。初めて使うシャワールームはAちゃんの匂いでいっぱいだ。
あーーー考えるのやめろ。やめろやめろ。
でも思いっっ切り息を吸って、自分もその香りに身を包んだ。幸せな気持ちってこういうこと…やべ。やめよ。
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りんご(プロフ) - 正しい…から引き続きこちらも再度読み返ししました^^*やっぱり面白かったぁーー！！^^* (2019年9月26日 23時) (
レス) id: 468b4d31bd (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - arikuiisexoxoさん» お返事遅くてすみません(T-T)最後までありがとうございました〜！ベクが甘めなだけに塩女子でしたね笑 わぁ…もっとミンソク出せばよかった…(´・ω・`)てか面白そうですね、その番外編！どこで読めますか？笑 私なりに書いてみますね！ありがとうございます^^！ (2018年5月18日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - シオンさん» お返事遅くなってしまってすみません(ToT)最後までありがとうございました！！シオンさまが惜しみ無くそんな言葉をかけてくださるのでもうわたし天才になった気分です(*^O^*)笑 わたしこそしあわせです！ありがとうございました！ (2018年5月18日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
arikuiisexoxo(プロフ) - 最後まですごく面白かったです~塩な主人公ちゃん好きですw たまに出てくるミンソク先輩が好きです(やっぱりしうぺん笑) 番外編でシウミンを預かるベクカップル見たいのと、シウミンがベクめっちゃ好きですそれにヤキモチやくミンソクみたいです。 (2018年5月8日 7時) (レス) id: e6ce84a282 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - お疲れさまでした！やっぱり天才さまですねしあわせです (2018年5月7日 22時) (レス) id: ad21636354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2018年4月2日 20時
