5 ページ41
.
第5話
「なんで約束破ったの？守れないと追い出すって言ったよな？追い出されたいの？」
表情は冷たいまま瞬きもしない。言葉を挟む隙間もない。だから、ただずっと首を横に振り続けた。
「じゃあもう２度と俺から離れんなよ」
「うん、うん、わかった、わかったから」
帰ってすぐに風呂場に連れていかれて、洋服を着たままシャワーを全身にかけられた。俺は綺麗好きなんだってぶつぶつ言いながら全部をびしゃびしゃにする。口の中にもぶくぶくシャワーを入れられて溺れそうになったら、やっとやめてくれた。
いつも優しいミンソクが、怖くなった。逃げようとすると元気のない尻尾をひっぱられて引きずり戻される。ごめんなさいってちゃんと目を見ていったのにやっぱり笑ってくれない。
わたしは約束を破った。だから怒られるのは当然で、歯向かえない。泣いて泣いて頭を下げ続けた。
・
首輪を、パソコンってやつの側においてカタカタしてる。何してるのって聞いたら性能を上げてるって言った。
あのあと急に元に戻ったミンソクは、いつもよりずっと優しくなった。やっぱり優しいから、好き。もっと好きになった。だからちっとも離れたいとか逃げたいなんて思わない。
でもジョンインの顔も頭からずっと離れない。
「ミンソク…」
膝の上で丸まって寝てたら頭をずっと撫でてくれる。たまに耳をこしょこしょするからくすぐったい。
「なに？」
「ミンソクは優しいよね？」
「…ん？」
「ジョンインが、ミンソクは危ないって」
「へぇ…。そんなこと言ったんだ」
「でも違うよ！って言ったよ。ジョンインはおかしいよね？」
「うん、おかしいね」
「だよね…」
「向こうに帰りたい？」
「うん…でも今はミンソクと一緒にいたいなぁ」
「…今は？帰るつもり？」
「お父さんにもお母さんにも仲間にもやっぱり会いたい」
「でもそいつらより俺の方が好きでしょ？」
「だけど…みんなも好き」
「は？」
ピタッと手が止まった。
見上げると大きな目でこっちを見てて少しゾッとした。
ミンソクは、自分以外の人を好きっていうと怒る。帰りたいなんていうと、もっと怒る。
わたしだってミンソクが他の子を好きっていったらイヤだ。帰れって言われたらイヤだ。
だから当たり前のことなんだ。
今日はとにかく疲れちゃって、眠たいって言えば甘やかして寝かしつけてくれた。うとうとして、夢の中へ入っていくとミンソクの匂いがふっと消えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 660人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こむ(プロフ) - みんさん» みんさん！気づくのが遅くなってしまってすみません(T＿T)めちゃめちゃ嬉しいです〜〜！サイコ染みたシウミンですが、私もこういう話が好きで書いてて楽しかったので、楽しんで貰えて何よりですもありがとうございます〜〜！ (2019年5月25日 11時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - こちらのシウミン大好物で、何回も読んでしまいます。こういう系、読んでて楽しいです！ (2019年5月17日 0時) (レス) id: 4f645da4fc (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ぺとみさん» いつもありがとうございます〜！うわ〜ん、すきです〜ToT.本当はもっと変な終わり方だったんですが途中で私何書いてんのかな？と我に返ってしまい…笑 このシウミンには言ってはいけない言葉がありまして、それを言ったときは…)^3^( やばい編はこれにて終了です！！笑 (2018年4月24日 21時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ぺとみ(プロフ) - 絶対の絶対の絶対に殺されちゃう〜〜><と思って読んでたので………まぁ殺されなくてよかった？とも思ったりもしましたが………どっちも難しい〜〜〜シウミン怖いからなおさら………><でも相変わらず面白かったです〜！！もっとやばくなります？？（笑） (2018年4月16日 23時) (レス) id: 39faf143c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ジュンミさん» ジュンミさまに気に入っていただけたみたいで、すごくすごく嬉しいです！！よかったー！！＼(^o^)／これからも読んでいただけるように頑張ります〜！ありがとうございます！！ (2018年4月14日 13時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こむ
| 作成日時：2018年3月4日 21時
