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　今日は営業部の男の先輩が、転職が決まったということで送別会を予定していて、我が部署は皆が忙しく仕事をこなしていた。

「あ、Aさん来れるってー」

　あともう少しで定時。今日の仕事の終わりも見えてきたころ、今回の幹事がスマホを見ながら立ち上がった。俺はキーボードを打つ手が止まった。今、なんつった？

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　嬉しいのになんか複雑。だけどしっかり横をキープ。話題がお子さんのことばっかりで入る隙もないが、ニコニコして話す先輩はずっと見ていられる。幸せそうだしとにかくかわいい。きゅんとしちゃう。今からでも遅くないです、俺の嫁になりませんか？つって。
何いってんだ俺

「じゃあ今日は旦那さんが見てくれてるの？」
「そうですーどうしても来たかったんでお願いしました」
「旦那さん優しいよね、そしてカッコいいし。ね？ベク、あんたよく会うでしょ？」
「…はいっ？」

　話聞いてるふりしてずっと顔みてたから何の話してるかも知らないしみんなが俺の顔を見たからびっくりした。

「…なんですか？」
「あんた聞いてなかったの？Aちゃんの旦那さんかっこいいよねって」
「へ、あ！そりゃもう、イケメン中のイケメンっすよ！A先輩に見合う男ですよ」
「そうね、あんたじゃ無理ね」
「いやいや、俺も愛じゃ負けてないっすから！」

　アハハ！と先輩の肩を軽く叩くと、あぐらをかいてた太ももをぱしんと軽く叩かれた。照れ臭そうに笑う先輩に心臓をがしっと捕まれたんじゃないかと思うくらい苦しかった。

愛じゃ負けてないとか、多分ホントだよ。
最近気付いたけどさ。

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