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鎮火できるかページ6

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「それじゃ、私はバスなんで」

　あれから少し飲んだあと、解散となった。そして一番にセフンの同期ちゃんが離脱。バス停で立ち止まる彼女に手を振って駅まで歩き出す。Aちゃんはどうやって帰るんだろうか。どっちの方角なんだろうか。

どうやって連絡先を聞き出そうか。

　他愛もない話をだらだら続けていたら、いつの間にか駅についてしまった。俺とセフンは反対方向だから構内に入って別れる。

「Aちゃん、どっち？」
「ん、あ。私こっち」

　運命の岐路。俺の願い虚しくAちゃんはセフンの横に立った。嬉しそうに、俺を見てニヤつくセフンがムカつく。お前フラれたんだろ、何回でも言ってやる。つーか、フッた相手、フラれた相手なのによく飲み会できるなこんな少人数で。今頃気付いたわ。ますます君たちの関係が気になるよ。

「それじゃ、ヒョン。また」
「待った。Aちゃん、連絡先教えて」
「え、うん。じゃベッキョンくんも」
「Aさん行きましょ」
「セフンお前は先に行っとけ」
「………」
「Aちゃん、また飲みに行こーね」
「うん、私暇だからいつでも誘って」
「あと、くん、いらない。ベッキョンって呼んで。それかベクとかなんでも」
「…ベッキョン。ベク」
「あはは…。うん、じゃ、また」

　自分で言わせといて辛くなる。あの人には今、育休中で全然会わないから。あの顔で、優しく名前を呼ばれると思い出す。先輩に呼ばれたら何があってもそっちを優先しちゃってたな。

そんなことを思いながらニコニコ笑うAちゃんと、その後ろでこっちを睨むセフンに手を振ってホームまで歩き出した。

　電車にのってすぐに、セフンから嫉妬丸出しのラインが来たけど既読スルーした。そんなに嫌なんだったら俺とAちゃんを会わそうとすんなっての。

　でもセフンのおかげで念願の連絡先を入手することに成功。なんだかんだいってかわいい後輩のセフンのこともあるし、まずは友達から。でも友達からって思うと、連絡する機会が少ない。当たり前のようにAちゃんから連絡があるわけじゃないし。なにかきっかけはないかと探してどんどん時間が過ぎていった。

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