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ありがたい転機ページ4

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　先日あいつと飲みに行ったのは結構久しぶりだったけれど、あの日から頻繁に連絡を取るようになった。というのもセフンがフラれたという女の子をどうしても紹介して欲しくてというなんとも間抜けな話だ。

でも頑なに教えてくれない。だったら諦めればいいものの、自分の心に空いてしまった穴を"せめて似ている人"で必死で埋めたくてしかたがなかった。

　それから１ヶ月が経とうとしていたときだった。セフンがどういう心変わりをしたのか知らないけど、今日あの子を交えて飲み会を開いてくれるという。自販機で炭酸ジュースを買っているときにそれを見て、取り出し口がガコンと音を立てていたのにも気付かずでかい声でよっしゃ！と叫んでしまった。

仕事終わり、待ち合わせ場所に現れたセフンは、心なしか香水の匂いが強い気がした。

「なんかお前気合いはいってね？」
「そっちこそ髪めっちゃキメてんじゃん」
「違いますぅー俺は営業マンなんですぅー」
「どうだか」

　先に店に入って待つこと数分。二人の女の子が目の前に腰を下ろした。先輩に似ているあの子は俺の前に座っていて、思わずにやけてしまう。うん、やっぱかわいい。でも思い出してしまうなコレ。俺には特別優しかったあの人のこと。

「この人は大学時代の先輩で」
「ビョンベッキョンです」
「そうなんだ…私はセフンの同期で、こちらは先輩のAさん」
「…あ、この前セフン君と一緒に飲んでました？」

　セフンの同期だという女の子が、先輩に似た子…Aさんを紹介してくれる。Aさんはその綺麗な目でじっと俺を見つめ、そう言った。覚えてくれてる。最高だな。

「え？飲んでましたけど…あー、あのときの！」

　なんてしらばっくれてますけどここんとこ毎日あなたと繋がりたいと言ってました。セフンは横目で俺を見る。言いたいことはわかってるからさ、スルーしようね？

　Aさんは俺と同い年であることが発覚して敬語無しで話すことになった。提案してくれたのはAさん、いや、Aちゃん。でもそれっきり。３人が同じ会社であるがために話題がほとんど仕事だった。まあね、俺に紹介する気がないのはもうわかったけどさ。