OVERWRITE (ページ11)

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一方美人ページ11

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　同期から紹介された、同じビルにある１階下の会社の受付の子と食事中。

アパレルメーカーらしく、いかにも女子って感じでキラキラしてる。アイメイクなんかバッチバチ。唇もテッカテカ。髪もちゃんとメンテナンスされてて触りたくなるくらいにツヤツヤ。

だけど全然ピンとこない。

さっさと帰りてぇなー。
なんてめちゃくちゃなことを考えながら、笑って会話を盛り上げる。こういうとき、営業マンでよかったと思う。

ポケットに入れてたスマホが短く震えて、すぐに取り出す。相手はAちゃん。あれから気まずくなって終わりかと思ってたけど意外にもだらだらとラインのやりとりはやってる。

でも内容は本当にどうでもいいことだ。
今の話題は米と麺ならどっちが好きか、とかだし。

「もしかして、忙しい？」
「…え？なにが？」
「ずっと連絡とってるから…」

　隠しもせずにスマホ扱ってたからか、眉毛を下げて心配してる。何でもないよ、と言ってスマホをしまったけど返信が来たら結局すぐ扱っちゃう。

　二軒目行く？なんて腕を組まれはしないけどぴったり寄り添われて尋ねられる。隣を見ると上目で様子を伺われていた。かわいーんだけどなぁー。

「んーどうしよっかな、明日朝から会議あるからまた今度にしよっかな」
「……そうだね」
「バスだよね？バス停まで送るよ」

　これはこのあと狙われてるんじゃないかと感じて思わず嘘をついてしまった。会議なんてあるわけない。

こんなの男としてどうなんだろう。評価下がるだろうな。明らかにテンションが落ちた女の子は俺から距離を置いて歩き出した。

バスが来るまで一緒に待ってあげて、乗ったのを確認してからすぐ歩き出した。バスの中から熱い視線を貰ってたなんて全く気づかなかった。

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